猫吸いという言葉をご存知ですか?
その名の通り猫を吸うことで、猫の体に顔をうずめて匂いを嗅ぐ行為ですが、猫を飼っている方なら1度は猫吸いをしたことがあるのではないでしょうか。
猫吸いという言葉が定着したのはここ数年ですが、猫吸いをするのは注意しなければいけないこともあります。
そこで今回は、猫吸いとは一体何かと、猫の匂いを嗅いでいる時の猫のストレスや注意点についてご紹介します。
猫吸いとは一体?
猫吸いという言葉が定着する前から、愛猫の体の匂いを嗅いだり吸ったりする行為はありました。
猫の体はいい匂い(?)がして、肉球はポップコーンのような香ばしい匂いでクセになりますね。
では、猫吸いとは本来どのような方法で行うのでしょうか?
ここでは、猫吸いについて見ていきましょう。
猫吸いとは猫を吸うことだけど…
猫吸いの言葉の始まりは、歌手の坂本美雨さんがTwitterで呟いたことが始まりで、「ネコの吸い方」という本も出版されました。
それが話題となりテレビ出演で猫吸いを実演したことで、一気に猫吸いの言葉が広まり、猫吸い動画や写真をSNSにアップする人も増えましたね。
基本の猫吸いとは、猫を仰向けにしたり抱っこして、猫のお腹や胸、顔、後頭部、背中、肉球などに顔付け、鼻と口を被毛にうずめて息を吸ったり、猫の体を口で軽く挟むように吸うことです。
飼い主の愛情表現とされている
猫が大好きすぎて、いつの間にか自然と行うようになった猫吸いだそうですが、テレビを見た方の中には、自分もやっている、気持ちがわかる、愛猫が愛おしくてたまらない、といった意見が多く、猫吸い=飼い主の愛情表現ということで猫吸いの言葉が定着したようです。
匂いを嗅いでいる時の猫のストレスは?
飼い主にとって猫吸いは愛情表現でも、猫はどう感じているのでしょうか?
ここでは、匂いを嗅いでいる時の猫のストレスについて見ていきましょう。
猫は基本的にマイペース
猫はマイペースな生きものです。
撫でてほしい、かまってほしい、抱っこしてほしいなんて時は、自分から飼い主に近づきます。
そして、満足したらスッといなくなってしまいますね。
その自由で気ままなところが猫の可愛いところでもありますが、逆に飼い主から猫を捕まえて抱っこしたり、体を押さえつけられたり、無理に仰向けにさせられることはストレス以外の何物でもありません。
更には、人間の大きな顔が近づいてくるのですから恐怖を覚えますね。
例え大人しくじっと猫吸いをさせてくれていたとしても、イライラしていたり我慢していることが考えられます。
せっかく毛づくろいしたのに…
猫はとてもきれい好きですね。
いつも毛づくろいをして、被毛をきれいに整えています。
猫の体には体臭を出す汗腺は肉球にしかありませんから、体臭は強くありません。
だからこそ猫吸いをしてもいい匂い(?)がするのですが、猫にしてみたらせっかく毛づくろいをして被毛を整えたのに、毛並みを乱されることはストレスとなってしまうことがあります。
長時間の猫吸いはやめて
猫が抱っこや撫でられることが大好きであっても、長時間されるとストレスを感じるようになります。
猫吸いも同様で、最初は受け入れて喜んでくれていたとしても、長時間の猫吸いは猫にとってストレスになってしまうため、ほどほどにしておきましょう。
また、子猫や老猫では触られすぎるだけでストレスを感じるため、猫吸いを行う場合には十分に配慮が必要です。
猫吸いは注意することも
猫吸いが猫のストレスになり得るだけでなく、実は人間にとっても注意が必要な行為です。
ここでは、猫吸いの注意点についてみていきましょう。
猫から人にうつる感染症の病気をもらうことも
猫がいくらきれい好きで毛づくろいをしてるからといっても、猫の被毛や皮膚には細菌や寄生虫、カビ菌、ホコリ、チリ、ダニの死骸や虫の卵など、様々な異物が付いていることを忘れてはいけません。
それらを猫吸いすることで口に取り入れてしまうだけでなく、猫が何らかの細菌や感染症を持っていれば、猫吸いをすることで口から経口感染することもありますし、直接感染源に触って接触感染することもあります。
また、猫にいた虫が飼い主の皮膚を刺すことで経皮感染もあれば、嫌がる猫に引っ掻かれたり噛まれて感染症を引き起こすこともあるのです。
猫からうつる病気
猫吸いすることで感染する可能性があるのは
・トキゾプラズマ症
・クリプトスポリジウム症
・回虫症
・サルモネラ症
・Q熱(コクシエラ症)
などです。
トキソプラズマ症やクリプトスポリジウム症、回虫症、サルモネラ症は猫の糞が人の口に入ることで感染するのですが、猫の糞なんて口にしないと思っていたら、それは危険です。
猫は毛づくろいをする時に、足の裏や陰部、肛門周りも舐めているため、被毛にそれらの菌や寄生虫が付くことも十分にあり得ることなのです。
これらの感染症は猫には無症状なことも多いため、感染していても気づかないので、十分に注意が必要です。
人間が感染すると、高熱や倦怠感、激しい下痢や嘔吐などを引き起こすこともあり、Q熱ではインフルエンザのような症状や肝炎、肺炎、心内膜炎などを引き起こすこともあります。
また、トキソプラズマ症に妊婦が感染すると、流産や先天的な障害を持った子供が産まれてくることもあるため、特に注意してください。
猫がリラックスしている時に行う
猫吸いに注意が必要なことを年頭に置いた上で、愛猫に猫吸いを行う場合は、猫がリラックスしている状態や、猫から寄ってきた時に行うようにしましょう。
引っ掻かれたり噛まれるリスクも減るだけでなく、猫のストレスも溜まりにくいです。
そして、猫のワクチン接種やノミダニの予防をしっかり行い、病気を持っていない健康体であることに越したことはありません。
また、猫を外に出している家では特に注意が必要となるため、ブラッシングによる被毛のゴミを落とすことも怠ってはいけません。
猫吸いは猫にとってストレスになることも!|まとめ
今回は、猫吸いとは一体どんなものかと、猫の匂いを嗅いでいる時のストレスや猫吸いの注意点についてご紹介しました。
危険と分かっていても、愛する愛猫に顔をうずめることはやめられませんね。
しっかり対策を行い、自分の体調が悪い時はやめておく、猫のストレスにならないように短時間にする、嫌がったらしないなど、自分のことだけでなく、愛猫の気持ちも考えて行うようにしましょう。