猫は比較的、嘔吐しやすい動物だと言われますが、突然愛猫が嘔吐すると驚き、心配になりますよね。
嘔吐物の中に、被毛が混ざっていれば毛玉を吐き出しただけだと安心しますが、もし下痢もしていた場合、病気を疑うかと思います。
しかし、下痢や嘔吐の症状が見られても元気があり食欲もある場合、病院に行くべきか迷ってしまいませんか?
今回は、猫が下痢や嘔吐をするのに食欲あり、元気はある時について解説していきます。
猫の下痢や嘔吐の原因
動物病院を受診する猫で一番多い症状が、下痢嘔吐だと言われています。
一般的に下痢とは、便に含まれる水分量がいつもより増した状態となる水様便や軟便の事を言います。
猫が下痢や嘔吐をする時とは、一体どんな時でしょうか?
下痢の原因
下痢は、大腸や小腸になんらかの異常が起きているために症状が表れますが、原因は腸自体の病気であったり、感染症、異物など様々考えられます。
これらの原因を特定するためには、獣医師に糞便検査や血液検査などをしてもらわない限り、詳しい原因は分かりません。
下痢の場合まず始めに、急性の下痢か慢性の下痢かを判断しその次に、大腸か小腸どちらが原因で引き起こされているかを判断します。
動物病院を受診する際は、愛猫の日ごろの様子や下痢の詳しい症状を飼い主さんが把握し、適切に獣医師に伝えることが早期治療に重要です。
嘔吐の原因
先ほども解説した通り、猫は動物の中でも比較的に嘔吐しやすいと言われています。
グルーミングの際に飲み込んだ毛玉を吐き出したり、空腹の状態が続くことで胃液を吐き出したりするため、猫と暮らしている内に愛猫の嘔吐に慣れている飼い主さんも多いかと思います。
嘔吐は、胃や腸に異常があると考えがちですが、全身の病気や神経の病気などが原因の場合もあるため、特に長期間に渡り嘔吐している様子がある時は、検査が多いだけでなくその分、診断されるまでも時間がかかり、愛猫も体力を消耗し重篤化するケースもあります。
嘔吐しやすい動物だからと軽く見ずに、少しでも普段と違う様子がある時は動物病院を受診しましょう。
下痢や嘔吐をしていても食欲あり、元気はある時
下痢や嘔吐をしていると心配になりますが、走り回ったり、遊んだり、食欲もいつも通りと元気はある様子の時に、動物病院を受診するべきか悩んでしまいますよね。
こういった場合、実際に動物病院へは行かずに様子を見る飼い主さんは多くいますが、本当に大丈夫なのでしょうか?
次に、動物病院を受診するべきタイミングについて解説していきます。
嘔吐の様子が重要
人間でも嘔吐をする時は苦しいですが、愛猫も嘔吐の時は苦しそうな姿をしていますよね。
週に1~2回程度の嘔吐で、嘔吐以外の症状がなく元気や食欲もあり、体重に変化がない場合は、病気と関係ないケースが多いため様子見でも大丈夫だと言われています。
しかし嘔吐が、急で激しく1日に何度も嘔吐するような場合は、例え元気であっても動物病院を受診してください。
嘔吐の回数が多いと、その分体に本来必要な水分も吐き出してしまい脱水症状を起こしてしまいます。
また嘔吐物の中に、多くの血が混ざっている場合もすぐに動物病院へ行きましょう。
嘔吐するまでは元気であっても、嘔吐するまでの間におもちゃやプラスチックの破片、人間が服用する薬などを誤飲してしまうと、中毒を起こしたり、おもちゃなどの異物が原因で内臓が傷ついてしまっている可能性があります。
その他にも、1日に吐く回数は少ないけれど何日にも渡って嘔吐している場合にも、病院を受診しましょう。
嘔吐しやすいと言っても、嘔吐の原因には胃腸の病気や糖尿病などの病気が隠れていることもあるため、体重の減少などが見られる場合には、必ず病院へ行くことをオススメします。
急性の下痢か慢性の下痢か
元気で食欲がある時に、急性の下痢を起こしている場合は、大腸も小腸も大きな病気の可能性は低いと言われています。
数日の間に、フードを変えた場合や引っ越しや新しい猫を家族に迎えたなどの環境変化でも猫は下痢をすると言われています。
その他にも、子猫や出入り自由にしている猫は寄生虫感染が原因で、下痢を引き起こすことがあり、他の病気や感染がなければ元気で食欲もあるけれど、軟便の状態が続くことが多いです。
寄生虫感染は糞便検査で診断でき、飲み薬や滴下薬で治療出来ます。
比較的簡単な検査方法と治療方法のため、子猫を新しく迎え入れた場合や、普段から自由に外出出来る猫は、定期的に健康診断などの検査を受けることをオススメします。
下痢や嘔吐を起こしている時の対処法
いくら食欲ありで元気はあるからと言っても、吐く瞬間や下痢をしている姿を見るのは、心が痛いですよね。
一番良いのは、すぐに動物病院へ連れて行くことですが、病院へ連れて行くまでの間に飼い主さんが愛猫にしてあげられることはあります。
まずは自宅で出来る対処法を取り、動物病院を速やかに受診しましょう。
お腹を休めさせる
愛猫のお腹が緩く嘔吐が続く場合は、まずお腹を休めさせることが大切です。
具体的な方法としては、まず1度に与える食事の量を普段の4分の1~2分の1程度に減らし、複数回に分けて与えてあげてください。
食事を消化する際に内臓は想像以上に働いているため、愛猫の体にも負担がかかります。
もし、ドライフードを普段与えている場合は、ぬるま湯でふやかしてあげることでも消化に良く、内臓の働きも緩やかになります。
ふやかしたドライフードは、猫によっては好みでないため全く食べなくなる子もいます。
そう言った時は、ウエットフードなども併用して与えましょう。
ウエットフードは、水分が多いため下痢や嘔吐で失われた水分を食事から補うことも出来ることから脱水症状を防ぐ効果もあります。
下痢や嘔吐が慢性化していても、中には病気などの原因が認めらない子もいます。
お腹の強さは人も個人差があるように、猫にもあるため慢性的になりやすい子は、消化の良いフードを選んであげることも大切です。
まとめ
ちょっと元気がないような気がするけれど、食欲あり元気はあるから数日様子を見ようとすることで、症状が悪化してしまい大きな病気に発展してしまうこともあります。
元気も食欲もあるから大丈夫と過信しすぎずに、獣医師に診てもらうことで隠れている病気や怪我にも気付くことが出来ます。
病気だけでなく、環境の変化や食事内容の変化などでも下痢や嘔吐の症状が出るため、そういった変化があった時は、飼い主さんも愛猫の体調にいつも以上に気を遣うようにしましょう。