猫を撫でた時に目を細めて顔や体を預けてくれる姿を見ると、とっても癒されますよね。
人は幸せホルモンと呼ばれる「オキシトシン」が、ペットを撫でている時に分泌されますが、実はこのオキシトシンは撫でられたペットからも分泌されることが分かっています。
飼い主さんだけでなく愛猫も幸せに感じられるなら、たくさん撫でたいですよね。
今回は、猫が喜ぶ撫で方と場所、猫に好かれるために覚えておくべき注意点を解説します。
猫が喜ぶ撫で方
猫と暮らす飼い主さんが、猫を撫でるのは「可愛い」と感じた時が多いと思いますが、そんな何気なく撫でている行為から愛猫は愛情を感じています。
愛猫を撫でた時にピンと尻尾を立てて、お尻を少し下げることはありませんか?
これは子猫の時に、母猫にお尻を綺麗にしてもらっていた時の名残と言われており、飼い主さんの手を母猫の舌のように感じている証拠です。
このように、母猫の舌のように感じてもらえるような、猫が喜ぶ撫で方についてまず解説します。
撫でる時は猫と同じ目線で
私たち人も、見えない所からいきなり触られると驚いてしまいますよね。
猫も同じくどれだけ信頼関係がしっかりとあっても、いきなり見えない所から頭を撫でようとされると猫は「捕まえられる!」と恐怖感を感じてしまいます。
恐怖心を与えるだけでなく、自分よりも高い位置にいる動物を優位だと猫は感じるため、警戒心を持つこともあります。
撫でる時は、猫と同じ目線の高さになるよう姿勢を低くしましょう。
猫の機嫌や様子を見てから
人も体調や機嫌が優れない時があるように、猫にもそういった日はあります。
機嫌や体調が良くないだけでなく、猫は元々「自分の世界」をとても大切にする動物のため、1人で気ままに過ごしたい時に構われる事を嫌います。
撫でるのは、猫がリラックスしている時やお腹を出している時、猫から近づいてきてくれた時です。
しかし、そういった時でも長時間撫ですぎると猫は「しつこい」と感じて噛んだり、手などを引っ掻いたりする場合があります。
愛猫の様子を見ながら、適度に撫でてあげましょう。
指の腹で優しくゆっくり
犬は、背中や首元などの部位をしっかりガシガシと掻いてもらうと気持ちよさそうにする子もいますが、猫の場合は出来るだけ指の腹を使って優しく撫でてあげましょう。
力は入れ過ぎずに、あくまでも猫が舌でグルーミングしている時のように優しく、背中などを撫でてあげると喜びます。
しかし、自分の舌が届かないような耳の後ろなどの耳周辺は、少し強めに指先でほぐすように撫でると良いです。
撫で方で一番大切なのはマッサージするようにする事
先ほども解説した通り、指の腹で優しく撫でるのを猫はとても好むため、体のコリをほぐすようにマッサージする撫で方が喜ばれます。
犬や猫には、人のようにはっきりとした肩はありませんが見上げたり、首や肩周辺の筋肉を使ったりする動作を行うため、肩こりや首が凝っている猫は意外と多いです。
そのため、特に肩と首の付け根辺りはもみほぐすようにマッサージしてあげると、愛猫との距離感もグッと縮まります。
お腹は急所に当たるため、飼い主さんから無理矢理お腹を撫でるのは良くないですが、愛猫が自分からお腹を出して来たら、優しく「の」の字を書くようにマッサージしてあげましょう。
猫が撫でられて喜ぶ場所
ここまで撫で方について解説してきましたが、猫は撫でられると嬉しい場所が以下のようにあります。
? 顎の下~首回り
? 耳の付け根
? 顔(鼻筋・頬・口元~耳にかけて)
? 背中
? 肩~前足の付け根
? 脇の下~お腹にかけて
一つずつ、撫で方も合わせて解説していきます。
顎の下~首回り
いきなり手を出すのではなく、まず愛猫に指や手の匂いを嗅がせるように手を持っていきましょう。
顎の下や、喉元辺りは指先でくすぐるように撫で、首回りは優しく揉むように撫でると喜びます。
この辺りは猫自身がグルーミング出来ない場所のため、撫でられることが好きな子が多く顎の下は特に臭腺があるため、皮脂が詰まりやすいので掻くように撫でられる子もいます。
耳の付け根
耳の付け根も、猫自身がグルーミング出来ない場所のため、少し強めに揉むようなイメージで撫でてあげると喜びます。
いきなり耳掃除をすると抵抗感も強く嫌がる子がいますが、普段から耳の周辺を優しくマッサージしてあげていると耳掃除が好きになることもあります。
顔(鼻筋・頬・口元~耳にかけて)
鼻筋は、人差し指などで優しく額から鼻先に向かって撫で、口元~耳にかけては少し引っ張るようなイメージで両方の口元から頬、耳にかけて軽く引っ張ってあげると喜びます。
顔を撫でられることが苦手な子も多いため、少しずつ飼い主さんの手は気持ち良いことをしてくれる手だと認識してもらってからにしましょう。
また手で撫でるのも良いですが、ラバーブラシのような柔らかいブラシで撫でてあげることでマッサージだけでなく、汚れを取ることもできオススメです。
背中
一番飼い主さんも撫でやすい場所は、背中ですよね。
首元からお尻に向かって、被毛に逆らわずに優しく撫でて様子を見て、嫌がる素振りがなければ背骨を軽く摘まむようにするとマッサージにもなります。
背中もブラッシングしてあげると喜ぶだけでなく、被毛の汚れや体全体を触ることになるため腫瘍やできものを早期発見することも出来ます。
今は、櫛のようなブラシだけでなく手袋の形状をしたブラシもあるため、マッサージしながら被毛のケアもし易い場所です。
猫の被毛は細菌感染を防いだり、皮膚などを乾燥から守ったりするためにあるため逆毛を立てられることを不快に感じます。
必ず、被毛の流れに沿ってブラッシングや撫でてあげるようにしましょう。
肩~前足の付け根
肩の辺りをマッサージするように、両手の指の腹で優しくマッサージしてあげましょう。
猫にも肩甲骨があり、肩甲骨の間に指を入れコリをほぐすように円を描きながらマッサージしたり、皮を軽く引っ張ってあげたりすると気持ちよさそうにする猫もいます。
まるで人間のようですが、猫も肩こりになりやすいため背中を撫でた後などに一緒に肩を揉んであげると喜びます。
脇の下~お腹にかけて
優しく撫でていると、お腹を出す時がありますよね。
そういった時は、ぜひ脇の下は優しく押すように撫で、お腹は「の」の字を書くように撫でてあげましょう。
先ほども解説しましたが、動物にとってお腹は最も弱い場所のため無理矢理、撫でようとするのはやめましょう。
猫が嫌がらないためには
撫で方や撫でられて喜ぶ場所について解説してきましたが、いくら撫で方が上手であっても撫でられるのが苦手な子はもちろんいます。
そういった子を無理に撫でようとすると、ストレスを感じるだけでなく攻撃的な性格になってしまうこともあるため、撫でさせてもらえるようにゆっくり時間をかけて信頼関係を築き、飼い主さんの手は怖くないことを理解してもらう必要があります。
ただし、いくら撫でるのが好きとは言え、猫も撫でてほしくない・構ってほしくないタイミングがあります。
最後に、猫に好かれるために覚えておきたい注意点を解説します。
撫でられるのを嫌がる時
猫が撫でられるのを嫌がる時は、以下のような状況の時です。
? 食事中
? 睡眠中
? 毛繕い中
? 遊んでいる時
? 機嫌が悪い時
人でも、これらの状況の時にしつこく触られたり、話しかけられたりしたくないですよね。
猫も同じく、食事中や毛繕い中などの自分の世界にのめり込んでいる時には、構われたくないと思っています。
中には、特に気にもせずマイペースな子もいますが、無理矢理撫でたり・構うことで攻撃をされたり、逃げられたり最悪の場合は、信頼関係が一気に崩れてしまいます。
また睡眠中は、どの動物も無防備な状態になるためいきなり触れられることを嫌がります。
寝顔は可愛くて、ついつい撫でてしまいたくなりますがグッと我慢して、起きている時に撫でてあげるようにしましょう。
そっとしておいてほしいサインを見逃さない
猫は、尻尾や耳の動きからカーミングシグナルと言った意思表示を行っています。
上記であげた撫でられたくない時の、特に機嫌が悪い時などには以下のようなサインを出しています。
? パタパタと素早く振る:不機嫌・怒っている時
? 尻尾を膨らませる:攻撃準備・驚いている
? 足の間に巻き込む:怖がっている
このような尻尾の動きをしている時は、撫でられたくない、そっとしておいて欲しいと思っている時です。
もし、いつも撫でることを許してくれるのに突然嫌がるようになった場合は、病気や怪我をしている可能性があります。
突然嫌がるようになったり、いつもと様子が違ったりする場合は、出来るだけ優しく体に触れ異常がないか確認することが重要です。
猫によって撫でられて喜ぶ場所は異なる
猫によっては、一般的に猫が喜ぶと言われている場所を嫌がったり、怖がったりする子がいます。
これは個体差によるもののため、飼い主さんが愛猫とのコミュニケーションを通じて知っていかなければいけないポイントです。
やはり一緒に暮らす家族だからこそ、愛猫に好かれたいと思う気持ちは強いと思います。
そのため、ここは好きだろうと飼い主さんの判断で撫でていたら愛猫は、実は嫌がっていたなんてこともあります。
日頃から愛猫をよく観察し、喜んでいる時の仕草や嫌がっている時の仕草を見分け、愛猫が撫でられると喜ぶポイントを押さえておきましょう。
まとめ
猫好きな方は猫に好かれたい、撫でたいと思いますよね。
しかし、猫それぞれに気持ちのいい場所や嫌な場所、気分、そもそも撫でられるのが苦手な子がいます。
猫に好かれるためには、まず時間をかけて信頼関係を構築し愛情を注いであげることが一番です。
お母さんに舌で舐められているような、そんな愛猫がホッとするような撫で方をマスターしましょう。
また体を撫でる事で、愛猫の異変にもいち早く気付く事が出来ます。
ただ撫でるだけと思わずに、体調チェックと愛猫とのコミュニケーションを大切にしましょう。