「猫可愛がり」という言葉があるように、人間は猫を溺愛したり、むやみやたらに可愛がったりしますよね。
どうして人間は猫にそれほどまでに惹かれるのでしょう?
確かにビジュアルはとてもかわいいですが、それ以上にマイペースでツンデレ、何を考えているかわからないといった神秘的なところも魅力の一つではないでしょうか?
ですが、猫がどういったことを考えているのか、猫の気持ちがわかる方法があるんですよ。
それは「耳」。
今回は猫の耳から分かる気持ちについて調べてみました。
「イカ耳」って何?
様々な動きがある猫の耳ですが、耳の状態を表す言葉に「イカ耳」というものがあります。
「イカ耳」のイカは、海に生息し、皆さんが良く食べているあのイカです。
上から見たらイカに似ている、ということから「イカ耳」と呼ばれています。
一般的に「イカ耳」とは、猫の耳が横向きになっている状態を指しますが、上向きに立ち上がっている状態も「イカ耳」といいます。
猫が自身の感情をあらわにするときに起こる耳の動きです。
この状態の猫の耳は、「イカ」以外にも「飛行機」の翼のようにも見えるので、「飛行機耳」といわれることもあります。
その「イカ耳」の時、猫はいったいどのような心理状態なのでしょう?
集中していたり、何かに夢中になっている時
気になることがあり、その音は何か探そうと聞き耳をたてているとき、猫の耳は「イカ耳」になります。
猫たちは、とても聴力が良いと言われています。
鳥や虫の鳴き声や、気が風で揺れる音、自動車やバイクの音など、窓の外から聞こえるさまざまな音を聞いており、聞こえてくるあまりきいたことない音や少し苦手な音、興味深い音にも集中して聞き入っていることもあります。
その中からお目当ての音を探し出そうと集中しているときの耳は、少し立ち、後ろにひかれています。
その時は興奮気味で、何かを狙っている時のように、瞳孔も少し開き気味になっている時も。
普段私たちが目にする猫の「イカ耳」はこれが一番多いのではないでしょうか?
警戒したり不安な時
周囲や何かに対して警戒しているときは、耳の力をフル稼働にしています。
そのときに猫の耳が横を向いているのは、わずかな音すら聞き逃さないよう、周りの物音を少しでも拾う事に集中しています。
野生の中で外敵や天敵と対峙してきた猫の歴史の中において、聞きなれない音や敵の出す音を聞き分ける、聞き取ることで自分たちの身を守ってきたのです。
物音は身を守る重要な情報です。
何かに不安になっている時も同じで、その不安に対する元凶を見つけるため、それらから逃げるためにもイカ耳になります。
この時、ヒゲが前のめりになったり、頭を左右に動かしたりすることもあります。
そういった時に、猫にむやみに触ってしまうと敵とみなされ、威嚇されたり引っかかれたりという目にあってしまいますので、ご注意ください。
イライラしている、不愉快、不満がある時
猫はマイペースで、自由に生きています。
自分の思うようにいかなかったり、好きなように過ごすことができないとなるとストレスや不満が溜まり、不愉快になってしまいます。
そんなときも「イカ耳」になります。
飼い主さんが遊んでくれない、おやつをもらえない、眠っていたのに触られた、音がうるさい・・・
思い当たることがあったら、見つけ出してその原因を取り除いてあげましょう。
猫は「イカ耳」にして、飼い主に抗議の心理を表しているのです。
怒っている時
怒りと恐怖のイカ耳は似ていますが、よく見ると違います。
どうやってその違いを見分けるかというと、耳以外の状態をチェックしてみるとわかります。
瞳孔は微妙に狭くなり、口角は後ろ側に引き上げ歯をむき出して、ヒゲは横側に引き寄せられています。
猫同士の喧嘩の時には、相手の猫に体の側面を見せ、毛を立たせ背中を弓なりにして自分は大きくて強いように見せかけ威嚇します。
いわゆる、アングリーキャットですね。
このような時に「イカ耳」になっているときは要注意です。
猫の気持ちが落ち着くまで近寄らず、そっと見守ってあげましょう。
恐怖、服従の時
怖い時、瞳孔は大きく開き、耳は頭にくっつけるように平たく寝かせるイカ耳になっています。
我が家では、白と黒の猫二匹を飼っており、よくケンカをするのですが、メスで体の小さい白い猫の方がいつもこのイカ耳になって、うずくまってしまいます。
うずくまるのは、「私はあなたより弱いんだから、もう攻撃しないで」という服従の心理の表れなのでしょう。
姿勢を低くし、相手を挑発しないように必死に体を小さく見せようとしている動きを見ていると、ものすごくかわいそうになってしまいます。
よく、飼い主に叱られた直後の猫でもこのようになりますね。
狭い場所に逃げて行ってから、こういった姿勢をすることが多いです。
猫の耳の優れていて、色々な気持ちを表す!?
猫の聴覚は高音域に対する感度が非常に優れています。
そして音を聞くだけでなく、多様な猫の感情を、耳の動きで表現しているんですよ。
猫の聴覚ってどれくらい?
人間の聞こえる音の範囲が20~20,000ヘルツ、犬が40~65,000ヘルツ。
それに対して猫が聞こえる音の範囲は25~75,000ヘルツ程度です。
このように、人間の3倍近い高音域まで聞こえていることがわかります。
猫は深い森や草むらの中の暗闇で生きてきた動物です。
鋭い聴覚で、獲物の動く音や発する超音波を聞き分けて、目に見えない存在をとらえてきました。
このような進化の過程で、猫の聴覚は五感の中で最も優れ、著しく発達してきたのですね。
逆に言えば、そうならなければ生きてはいられなかったともいえます。
猫の耳を観察してみて!
猫の耳はパラボナアンテナのようにあっちこっちに動き、多くの音をキャッチしています。
猫の耳を動かす筋肉は、耳の薄いヒラヒラした部分に存在しており、耳介と呼ばれています。
猫は耳の周りの筋肉が発達しているため、180度位まで耳の向きを自由に変化させることが可能なのです。
そして気をつけて猫の耳を見ていると、猫の心理で耳の動き方も変化していることがよくわかります。
猫の耳はとてもおしゃべりで、しっぽ同様、猫の気持ちを理解するうえでの大切なチェックポイントなのです。
耳の形から分かる猫の様々な気持ちって??
猫の耳は、音を聞く以外に「感情を表現する」役割があります。
そこが人間の耳との大きな違いとなっています。
その耳の形の猫の心理状況はどういうものなのか、見ていきましょう。
耳を前に向けてピンと立っている時の気持ち
耳を前に向けてピンと立たせているときは、警戒していたり、家の中なら興味津々になっているサインです。
よく、見慣れないものを見ているときに、猫の耳の動きはそのようになっています。
また、猫にとって好きな音が聞こえているのかもしれません。
猫は、大好きな飼い主さんや家族の足跡や声が聞こえてきた時、猫のご飯を用意しているのを待っている時などに耳を前方向に向けてピンと立てています。
黒目が大きく開いてキラキラしていたり、ヒゲがピクピクと忙しく動いている時の気持ちはかなり興奮している状態です。
おもちゃのネズミなどを置いておくと、それを遠くから狙っているときなども耳はこのような動きになっています。
あちこちに耳が動く時の気持ち
猫の耳が左右別々に細かく動かしていることがあります。
ウトウトと半分眠っているように見えても、耳だけはせわしなく動いていることも珍しくありません。
こんな時の猫は「少し不安だけれども興味がある」といった気持ちです。
猫は本能的に、わずかな音にも反応してしまい、身の安全を確保しようとします。
家猫になってもその野生の時からの習性は変わっていません。
何か音がするけれど、どこから、何から音がでているのかわからなく少し不安。
それが何なのかよくわからないけれども、興味がある。
猫は一生懸命情報を集めるために五感、特に聴覚をフルに使い研ぎ澄ませて集中しているのです。
耳が横に向いている時の気持ち
イカ耳とは異なり、自然な形で耳が横を向いている時、猫はとても穏やかな気持ちでいます。
大好きな飼い主さんに頭を撫でてもらっている、お気に入りの場所でぬくぬくとお昼寝するという風に、猫が本当に安心してくつろいでいる心理状態の耳は、力の抜けた自然な形で横を向いています。
この時の猫の気持ちは穏やかで、とてもリラックスしています。
このように過ごしている猫には、幸せなひと時を過ごしているので邪魔しないであげましょう。
猫の耳の動きでわかる心理状態まとめ
猫の気持ちがあまり理解できず、不安になるのは猫の飼い主あるあるですよね。
しっぽの動きはよく知られていたことですが、耳の動きでも自分の気持ちを示してくれていた猫たち。
そんな猫の仕草を読み取ることができれば、もっと猫との距離が近くなり、仲良くなれそうな気がしています。
猫との生活を、もっともっと楽しみましょう!