猫のいえばモフモフのさわり心地のよい毛が魅力的ですが、中には毛がない種類の猫もいます。
この毛のない猫の名前はスフィンクスといいます。
日本ではあまり見かけない猫種ですが、世界的には「高貴な猫」として人気があり、日本でもペットショップで販売されていることもあります。
何とも見慣れない不思議な容姿のネコ、スフィンクスはなぜ無毛なのでしょうか?
その理由と、スフィンクスの基本情報、さらにはスフィンクス以外の毛がない猫の種類をご紹介していきましょう。
毛がない猫、スフィンクスが誕生した理由
猫といえば豊かな被毛。
あのフワフワでモフモフな体がたまらなく好きという方も多いのではないでしょうか?
しかし、世の中には毛がない不思議な見た目をしている猫もいるのです。
その代表的な猫の名前が「スフィンクス」です。
いったい、スフィンクスはなぜ毛がないのでしょうか?
スフィンクスは突然変異で生まれた
世にも不思議な無毛の猫が誕生したきっかけは、1966年カナダのトロントで産まれた「プルーン」という名前のイエネコでした。
白黒の猫から誕生したプルーンは、突然変異によって毛がない状態で生まれました。
この毛がない猫、プルーンを基礎に無毛猫の繁殖が行われましたが、残念ながら交配がうまくいきませんでした。
その後1970年代に、またしても突然変異によって無毛猫が誕生し、デボンレックスという猫種と交配したところ、現在のスフィンクスの元となる猫が誕生したのです。
完全に無毛だとは限らない
毛がない猫とご紹介していましたが、実は完全な無毛だとは限りません。
全く毛がないように見えますが、よく見ると全体または一部に薄く産毛が生えているのです。
そのため、触り心地は桃やスフェードのようなのだとか。
この産毛の独特の肌触りと、肌から伝わる程よい温もりが病みつきになるのだとか。
スフインクスの名前の由来は?
スフィンクスは誕生した当時、「カナディアン・ヘアレス」と呼ばれていました。
しかし、この独特の外見がエジプトのスフィンクス像に似ていることから「スフィンクス」とよばれるようになったそうです。
ちなみにスフィンクスは、世界的に有名な監督スティーブン・スピルバーグ監督の名作「ET」のモデルになった猫でもあります。
確かによく見ると似ているような気がしますよね。
スフィンクス以外にも!毛がない猫の種類
スフィンクス以外にも毛がない猫がいます。
日本では馴染みのない種類、何となく見たことがある種類などさまざま。
「あの毛のないやつ、何だろう?」とモヤモヤしている方は、一度探してください。
ドンスコイ
独特な名前を持つ「ドンスコイ」はロシア原産の無毛猫です。
スフィンクスに見た目が似ていることから「ドンスフィンクス」と呼ばれることも。
ドンスコイは4種類のタイプがあり、完全に毛がないラバーボールド、産毛が生えているフラックド、産毛がある状態で生まれ徐々に抜け落ちていくベロア、そして巻き毛や縮れ毛のブラッシュがあります。
ピーターボールド
ドンスコイとオリエンタルショートヘアを交配させて誕生したのが「ピーターボールド」です。
手足も胴体もほっそりとしたエレガントな体系が特徴で、薄いビロードのような被毛を持っているのが特徴です。
スレンダーな体型と美しい見た目から、セレブを中心に人気を集めているようです。
ピーターボールドは薄い毛が生えているヘアリーと、無毛タイプのボールドの2種類が存在しています。
バンビーノ
毛がない猫の代表的な種類スフィンクスと足の短い猫種マンチカンを交配させて誕生したのが「バンビーノ」です。
バンビーノという名前通り、小柄な猫で手足も短くコロッとした体が特徴。
まだまだ発展途上にある種類であり、バンビーノという名前がついたのもつい最近のことです。
ユークレイニアンレフコイ
猫好きの方でもあまり馴染みがない毛がない猫がこちらの「ユークレイアンレフコイ」です。
ウクライナ原産の猫種で、まだまだ歴史が浅く猫の血統団体にも2019年現在では登録されていないのだとか。
最大の特徴は折れ耳で、スフィンクスの見た目とスコティッシュフォールドのような折れ耳の愛くるしい顔が人気を集めつつあります。
スフィンクスのように細身で、とても筋肉質な体型がスタイリッシュです。
毛がない猫を飼育するときの注意点
スフィンクスをはじめとした毛がない猫と一緒に暮らすには、気をつけないといけないことがいくつかあります。
無毛猫に興味がある方、毛のない猫にいつの間にか夢中となっている方はしっかりと理解をしておきましょう。
体を拭いてあげる
毛がほとんどないとはいっても、体が汚れてしまいますので定期的にタオルや専用のシートなどで皮膚を拭いてあげる必要があります。
特にスフィンクスのような皮膚にシワのある種類は、皮脂がたまりやすいので注意が必要です。
そのため汚れが付きやすく、場合によっては被毛が豊かな猫よりもお手入れが大変な場合も。
非常にデリケートな皮膚、あまりゴシゴシとこすってしまうと傷つけてしまう危険性がありますので、柔らかいタオルやガーゼをぬるま湯で濡らして優しく拭いてあげましょう。
直射日光に注意
続いて気をつけていただきたいのが直射日光です。
本来、デリケートな皮膚を守るために生えている被毛がほとんどない毛がない猫。
紫外線に当たってしまうと、皮膚に炎症が起こってしまうかもしれません。
たとえ外に出ない場合でも、日当たりがよすぎるお部屋は非常に危険なので、避難できる日陰を作るなどの工夫をしましょう。
体温調節をする
猫の被毛は寒い日の防寒としても役立っています。
その被毛がないのですから、やはり寒さには弱いです。
そのため寒い日は、体温調節をしっかりとしてあげましょう。
暖房をつける、防寒グッズを用意するなど、猫用アイテムを使うのはもちろん、寒がりな猫ちゃんのために服を着せてあげるのもおすすめです。
毛がない猫は魅力がたっぷり
あのモフモフの毛がないなんてありえない!
ちょっと変わった見た目をしているから無毛猫はなんとなく苦手。
なんて思う方もいらっしゃるでしょうが、スフィンクスをはじめとした毛のない猫たちは、知れば知るほど魅力がたっぷりあります!
この機会にぜひ、毛がない猫の触れ合ってはいかがでしょうか?