蚊に刺されるのは人間も不快ですが、猫にとってもフィラリアの心配があり、蚊取り線香を使いたいけど猫がいるのに蚊取り線香を使っても大丈夫なの?と、1度は考えたことがあるのではないでしょうか。
ペット用と書かれて販売されている蚊取り線香もありますが、人間用と何が違うのかも気になりますね。
そこで今回は、蚊取り線香が猫に与える影響や安全性について徹底的に調べてみたので、ぜひ参考にしてくださいね!
猫のいる家庭での蚊取り線香は大丈夫?
結論から言ってしまえば、猫がいる家庭でも蚊取り線香は大丈夫です。
蚊取り線香には殺虫剤の成分が含まれていますが、猫にどのような影響を与えるかを知っておけば、安心して使用することができますね。
ここでは、殺虫剤の成分が猫に与える影響を見ていきましょう。
殺虫成分が猫に与える影響
蚊取り線香に含まれる殺虫剤の成分は、ピレスロイド系です。
ピレスロイド系には、除虫菊から取れるピレトリンなどの天然のピレスロイドや、合成して作られている十数種類のピレスロイドがありますが、私たち人間をはじめとする猫や犬などの哺乳類や鳥類には、ピレスロイドを体内に取り込んでも短時間に分解する酵素を持っており、尿と一緒に体外に排出することができるため、体内に残ることはなく影響がないことが研究から分かっています。
ですから、猫がいても蚊取り線香を使っても大丈夫なのです。
ただし、ペットとして昆虫類や両生類、爬虫類を飼っている方は、ピレスロイドを分解する酵素がないため、毒性が強いものとなりますので使わないようにしましょう。
蚊取り線香の種類
蚊取り線香といっても、現在ではさまざまなタイプのものが販売されていますね。
どれを選べば猫に影響なく安全なのかと悩むこともありますが、基本的に殺虫剤の成分にそこまで変わりはなく、特に心配することはありません。
ここでは、蚊取り線香の種類とちょっとした注意点をご紹介します。
蚊取り線香
蚊取り線香は、線香が渦巻状になっているのが特徴で、昔から使われてきた蚊取り線香ですが、火を付けることで線香から煙が出ます。
その煙に殺虫剤成分が含まれているのですが、蚊取り線香に限らず煙全般にアレルギーを持つ猫もいます。
猫が蚊取り線香によってクシャミや痒がる様子があれば、煙アレルギーが考えられるため、煙の出ないタイプのものに変更する必要があります。
また、猫が火が付いている部分を触って火傷をすることもありますので、蚊取り線香を置く場所には気を付けましょう。
もう1つの注意点は、煙に刺激されて人間でも目や喉に刺激を受けることがあるため、締め切った部屋での使用はおすすめできません。
蚊取りマット
蚊取りマットは、コンセントに差し込み電熱版の上に蚊取りマットを置いて、電気の熱で殺虫剤成分を揮散させるタイプの蚊取り線香です。
煙はでませんがマットを乗せる電熱版が熱くなるため、こちらも猫の火傷に気を付ける必要がありますね。
リキッド式
最近多く見かけるのが、リキッド式の蚊取り線香ではないでしょうか。
コンセントに差し込み、リキッドを加熱することで殺虫剤成分を蒸散させるタイプの蚊取り線香です。
煙も出ず、本体が熱くなることもないため、猫のいる家庭では最も安全性が高い蚊取り線香になります。
ファン式やスプレー式
電池を使用したり、コンセントから電源をとって、殺虫剤成分に直接風を吹きかけて飛ばすファン式や、ワンプッシュタイプのスプレー式の蚊取り線香も販売されています。
煙の心配もなく、猫がいる家庭でも使うことが可能ですが、猫によってはファンの音を気にすることもあるため、音に敏感な猫がいる場合や、ファンで遊んでしまうことのある猫ではケガをしてしまうこともあるため、注意が必要です。
猫用(ペット用)と人間用の蚊取り線香の違いは?
猫にとって蚊取り線香の影響が心配ないと分かっても、人間用の蚊取り線香を使っても問題はないのでしょうか?
ペットショップやペット用品売り場で売られているペット用と書かれている蚊取り線香と、普通に売られている蚊取り線香では何が違うのか気になりますね。
ここでは、ペット用と人間用の蚊取り線香の違いについて見ていきましょう。
販売許可をもらう場所の違い
ペット用と人間用の蚊取り線香は、そもそも販売を許可してもらう場所が違います。
ペット用と書かれていない蚊取り線香のパッケージを見ると、防菌用医薬部外品と書かれていますが、ペット用の蚊取り線香には動物用医薬部外品と書かれています。
人間用とされているものは厚生労働省の許可が必要になり、ペット用は農林水産省の許可が必要なのです。
蚊取り線香に含まれる香料
ペット用と人間用の蚊取り線香の成分に、ほとんど違いはありません。
ですから、ペット用にこだわらなくても人間用でも問題なく使うことができます。
ただし、ペット用の蚊取り線香は無香料のものがほとんどですが、人間用の蚊取り線香には匂いが付けられていることがありますね。
渦巻タイプの蚊取り線香では、ペット用でも蚊取り線香独特の匂いがするので、猫が匂いに敏感であったり、渦巻タイプの蚊取り線香を嫌がる場合は、無香料のものを選んであげましょう。
また、最近ではラベンダーやミントの匂いがする蚊取り線香もありますが、猫にとってアロマオイルは体に悪影響があるものなので、蚊取り線香の成分を見て、ミントやラベンダーなどの精油が使われているものは使用してはいけません。
猫には注意したい防腐剤も
蚊取り線香によっては、防腐剤としてデビトロ酢酸ナトリウムを使用していることがあります。
人間の化粧品にも使われている防腐剤ですが、その成分が猫によっては体調を崩してしまったり、吐くといったことがあります。
基本的にペット用と書かれて販売されている蚊取り線香には使用されていませんが、人間用の蚊取り線香を使う場合は、成分にデビトロ酢酸ナトリウムが使われていないか確認するようにしましょう。
猫が蚊取り線香を食べちゃった!大丈夫なの?
あまり無いことだとは思いますが、猫が蚊取り線香を食べてしまった、舐めてしまった場合には、心配になりますね。
猫が蚊取り線香を食べてしまったら、どうなるかを知っておきましょう。
少量であれば問題ないが病院へ
蚊取り線香に含まれる殺虫剤成分は、蚊の体重を2~3mgと計算して作られています。猫の体重はその数千倍ですから、少量を取り込んでしまっても問題はありません。
体重5kgの猫が、蚊取りマットを150枚食べてしまうと致死量となり問題ですが、渦巻タイプの蚊取り線香を1巻きや、蚊取りマットを1~2枚食べても中毒症状を起こすこともなく、命に係わることはありません。
リキッドタイプの場合では、まるまる1本飲んでも致死量には値しませんが、成分が濃縮されているため、48時間は中毒症状が出ないか、アレルギーが出ないかを観察する必要があります。
このように、少量であれば問題はありませんが、猫が誤って食べてしまった場合は胃や腸に詰まることも考えられますし、殺虫剤成分に過剰に反応する猫もまったくいないわけではないため、必ず動物病院を受診しましょう。
また、猫が蚊取り線香を食べるということはあまり考えられませんが、猫がどんな行動に出るか分からないため、保管場所には注意しましょう。
猫のフィラリア予防のためにも安全な蚊取り線香を使おう!|まとめ
今回は、猫がいる家庭での蚊取り線香は大丈夫なのかと、蚊取り線香の安全性や影響についてご紹介しました。
みんなが嫌いな蚊ですが、蚊に刺されると不快なのは猫も一緒です。
また、猫にとって蚊はフィラリアを媒介する恐れもありますね。
蚊取り線香の成分をきちんとチェックして、猫に影響のない蚊取り線香を選んで、使ってあげましょう!