みなさんは、愛犬の食事にはどんなものを与えていますか?
多くの方は、一般的にドッグフードと呼ばれるドライフードを与えているのではないでしょうか?
種類豊富なドッグフードの中でも、特に有名なロイヤルカナンは犬種別フードや療養食、猫用フードがあり、ブリーダーや獣医師からも推奨されています。
今回は、そんなロイヤルカナンの中から日本犬である、柴犬成犬用のロイヤルカナンについて解説していきます。
公式サイトはコチラロイヤルカナンとは
ロイヤルカナンでは、犬種や猫種ごとの被毛や体格などを理解・研究し、精密なペットのヘルスニュートリション(真の健康をもたらす最適な栄養バランス)を作ることを重視しています。
これは、犬や猫が健康的に暮らすために必要な栄養素の研究をしているだけでなく、犬や猫それぞれにとって「食べやすいフード」とはどんなものなのかも研究していることを指します。
そもそもどんなフードでも、そのフードを食べなければ意味がないですよね。
そういったことも考慮して、犬や猫が食べやすい形や大きさ、匂いについても研究しているため、ロイヤルカナンシリーズは「食いつきが良くなった」と言うレビューが多いことでも有名です。
また必要な栄養素と言うと少し難しく感じてしまいますが、例えばトイプードルとゴールデンレトリバーでは、体格やかかりやすい病気だけでなく運動量や生活習慣も異なりますよね。
それぞれの犬種に合ったフードを選びやすいと言う点でも、ロイヤルカナンは人気と言えます。
ロイヤルカナン柴犬成犬用に含まれる注意したい成分
ドッグフードの外装を見てみると必ず、含まれている原材料や栄養成分が表示されているかと思います。
たくさん書かれているため、普段はあまり見ることがない飼い主さんもいるかもしれませんが、今回はどんなものが含まれているのか一緒に見てみましょう。
原材料 | とうもろこし、米、肉類(鶏、七面鳥)、植物性分離タンパク質(超高消化性タンパク:消化率90%以上)、コーングルテン、動物性脂肪、とうもろこし粉、加水分解タンパク(鶏、七面鳥)、ビートパルプ、大豆油、魚油(EPA/DHA源)、植物性繊維、酵母および酵母エキス、フラクトオリゴ糖、加水分解酵母(マンナンオリゴ糖源)、ルリチシャ油、緑茶抽出物(ポリフェノール源)、加水分解甲殻類(グルコサミン源)、マリーゴールド抽出物(ルテイン源)、加水分解軟骨(コンドロイチン硫酸源)、アミノ酸類(L-リジン、DL-メチオニン、タウリン、L-シスチン、L-カルニチン)、ゼオライト、ポリリン酸ナトリウム、ミネラル類(Cl、K、Ca、Na、Mn、Zn、Mg、Fe、Cu、I、Se)、ビタミン類(コリン、E、ナイアシン、C、パントテン酸カルシウム、B6、B2、B1、葉酸、A、ビオチン、B12、D3)、保存料(ソルビン酸カリウム)、酸化防止剤(BHA、没食子酸プロピル) |
成分 | タンパク質:24.0%以上、脂質:12.0%以上、粗繊維:3.6%以下、灰分:6.4%以下、水分:10.5%以下 |
カロリー含有量 | 376kca/100g(代謝エネルギー) |
各フードのパッケージに記載されている原材料は、含有量が多いものから順に記載されています。
そういった所に着目してみると、このロイヤルカナン柴犬成犬用は「とうもろこし、米」となっているため主原料は、穀物類と言うことになります。
次に、こうした点に着目して注意したい成分について1つずつ見てみましょう。
とうもろこし・米
元々肉食動物である犬にとって、とうもろこしや米などの穀物類は消化がしづらいと言われているだけでなく、アレルギーを引き起こしやすいとも言われています。
近年、グレインフリー(穀物不使用)のフードが増加傾向にあるのもこうしたことが理由で、犬のアレルギー検査は約30,000円前後と高額で保険適用外となることが多いため、穀物不使用のフードが選ばれやすいようです。
しかし最新の研究データによると、犬や猫の食物アレルギーについて「牛肉や鶏肉などのアレルギーと比較すると穀物によるものは少ない」とも言われています。
とは言え、もしアレルギーなどの心配がある方は避けた方が良いと言えます。
動物性脂肪
肉食動物であるならば、動物性脂肪は良いのでは?と思う方も多いかと思いますが、ここで重要な点は「どんな動物なのか」が明記されていないことにあります。
先程も、ロイヤルカナンは食いつきが良いと言うレビューが多いと解説しましたが、これはロイヤルカナンの嗜好性を高めるために、粒の表面に動物性油脂が吹きかけられています。
嗜好性が高く、食いつきが良いと言う評価は飼い主さんにとっても「愛犬が食べやすい」と言う利点がありますが、どういった動物のものなのかを明記されている方が安心と言えますね。
ビートパルプ
ビートパルプは、テンサイ(サトウダイコン)から砂糖を搾り取った後に残った植物性繊維(パルプ)のことを言います。
ビートパルプは食物繊維が豊富なため、腸内の掃除をして便通を良くする効果がありますが、摂りすぎると便秘を起こす可能性があります。
パッケージの給餌量を守っていれば、便秘などを引き起こす心配はないと言われていますが、大食漢な子や欲しがるままに与えてしまう飼い主さんは、注意が必要です。
保存料(ソルビン酸カリウム)
保存料は、私たち人にとっても良い印象はないものですよね。
人であれば、例えばチーズやワイン、煮豆や乳酸菌飲料に含まれており、比較的毎日口にしていることの多いものですが、犬は人と比較すると身体が小さく、その保存料によって病気などを引き起こさないか不安かと思います。
そもそも、このソルビン酸カリウムは細菌やカビからフードを守る目的で使用されていますが、他の物質と反応して発がん性物質などに変化する恐れがあると言われています。
しかし、ロイヤルカナン製品に使用している量であれば一生涯食べ続けたとしても、健康に影響を及ぼすことのない量です。
酸化防止剤(BHA、没食子プロピル)
この2つは、ドッグフードの劣化や損傷を遅らせる効果のあるものであると共に、発がん性があると言われています。
しかし、酸化防止剤を使用しない場合、脂が酸化してしまうことによって犬の健康に、かえって悪影響をもたらします。
先程解説した保存料と同じく、どちらも一生涯食べ続けても健康に影響を及ぼす量は含まれていませんが、こうした添加物が気になる方は無添加のフードを選んだ方が良いと言えます。
実際にロイヤルカナン柴犬成犬用を与えてみて
ここまで、ロイヤルカナン製品に含まれる注意したい原材料について解説してきましたが、これらの成分は多くのドッグフードに含まれており、アレルギーに心配のある子や無添加が良い方は、出来るだけグレインフリーのドッグフードを利用されるか、手作り食を与えた方が良いと言えます。
しかし、ロイヤルカナンがここまで有名かつ人気であることには、実際に愛犬に与えた際に良い評判が多いからです。
次に、実際にロイヤルカナン柴犬成犬用を使用されている飼い主さんによる、評判の良い口コミと評判の悪い口コミをそれぞれご紹介します。
評判の良い口コミ
もうすぐ一歳になる黒柴を飼っています。
ペットショップでロイヤルカナンをあげていたのでそのままあげていましたが、あるとき急に少食になりました。
種類をかえてあげると、食べたり食べなかったり…まだまだ食べ方にムラがありますが、久しぶりにロイヤルカナンをあげるとペロッと完食することも。
体のことや毛の艶など考えるとやっぱりロイヤルカナンを食べてほしいので(私的に香りが好きなんです。)犬のことを考えながら継続して与えていきたいと思っています。
引用: ロイヤルカナン公式
食の細いうちの子ですが、このハードが一番食べてくれます。
排泄物の状態も扱いやすく、飼い主としても助かります。夏は3キロ。
涼しくなったら8キロで購入し、取り出しやすい容器に移し替えて使っています。
なので小袋になっていないことも問題なし。ジッパー付きなのも助かってます。
Amazon引用: Amazon
評判の悪い口コミ
評判は、よさそうでしたので、購入しましたが、うちの犬に限っては、合わなかったようです。
嘔吐が多く、使用をやめました。
引用: Amazon
ジッパーがもう少ししっかりと止まるといいですが、しけってしまいます。
引用: Amazon
実際に利用してみて
我が家には3歳の黒柴のオスがおり、骨太でガッチリとした体格ではありますが、一般的な柴犬と比較するとオスとしては小さめです。
食べムラがあり、よく食べて肥満になりやすいと言われる柴犬ですが、愛犬はあまり食事には興味を示さず「2度の飯よりも散歩が好き」と言う性格です。
しかし、ロイヤルカナン柴犬成犬用に変えてからは、目に見えて食いつきが良くなり袋を開ける度に、目をキラキラとさせ「早くご飯を出して!」と目で訴えてきます。
毎日与え続けていると、次第に飽きたような素振りを見せることもありますが、これまで使用してきたフードの場合、全く手を付けようとせず胃液を吐きそうになるまで我慢する頑固犬でしたが、ロイヤルカナンに変えてからはフードを出すと5分以内には食べるようになりました。
確かに、粒に吹きかけられている油分があるため手で与える時には少々不快感はありますが、便は硬すぎることも緩すぎることもなく、臭いも臭すぎるという印象はありません。
またお散歩に出かけると、他の飼い主さんにも「毛づやがすごくいいね!」と言っていただけるほど、陽に照らされると綺麗な艶が出ます。
保存料や酸化防止剤など気にならないと言えば嘘にはなりますが、愛犬にはロイヤルカナンがあっているようで、ロイヤルカナンにしてからは外耳炎などの皮膚トラブルをあまり引き起こさなくなりました。
ロイヤルカナンは、少量サイズの800gも販売されているため試しに使ってみたいと感じる方でも、購入しやすいと思います。
ロイヤルカナン犬種専用フードの違い
今回は、柴犬成犬用について解説していますがロイヤルカナンでは、犬種専用のものがいくつかあります。
- チワワ
- ダックスフンド
- プードル
- 柴犬
- ヨークシャテリア
- シーズー
- マルチーズ
- ミニチュアシュナウザー
- パグ
- キャバリアキングチャールズ
- フレンチブルドッグ
- ラブラドールレトリバー
- ゴールデンレトリバー
- ジャーマンシェパード
- ブルドッグ
- ボクサー
- ロットワイラー
- グレートデーン
- アメリカンコッカースパニエル・イングリッシュコッカースパニエル
- ジャックラッセルテリア
- ビーグル
- ビジョンフリーゼ
22犬種ありますが、犬種専用のものがなくても安心してください。
この他にも、超小型犬用・小型犬用・中型犬用・大型犬用と言った体格に合わせたフードもあります。
今回は、この中でも柴犬と同じ中型犬に分類されるビーグル専用フードと柴犬専用フードでは、どのような点が違うのか見ていきましょう。
ビーグル成犬~高齢用フードの原材料や成分
比較をするにあたって、まずはビーグルの成犬~高齢犬用フードの原材料や成分を見ていきましょう。
原材料 | 肉類(鶏、七面鳥)、コーン、米、小麦、動物性油脂、コーングルテン、加水分解タンパク(鶏、七面鳥)、植物性繊維、超高消化性植物性タンパク(消化率90%以上)、ビートパルプ、魚油(EPA/DHA源)、酵母および酵母エキス、サイリウム、大豆油、フラクトオリゴ糖、加水分解酵母(マンナンオリゴ糖源)、ルリチシャ油、緑茶抽出物(ポリフェノール源)、加水分解甲殻類(グルコサミン源)、マリーゴールドエキス (ルテイン源)、加水分解軟骨(コンドロイチン硫酸源)、アミノ酸類(タウリン、L-リジン、L-チロシン、L-カルニチン)ゼオライト、ポリリン酸ナトリウム、ミネラル類(Ca、Cl、Na、K、Zn、Mn、Fe、Cu、I、Se)、ビタミン類(コリン、E、ナイアシン、C、パントテン酸カルシウム、B6、B2、B1、葉酸、A、ビオチン、B12、D3)、保存料(ソルビン酸カリウム)、酸化防止剤(BHA、没食子酸プロピル) |
成分表 | タンパク質:25.0%以上、脂質:10.0%以上、粗繊維:4.7%以下、灰分:6.8%以下、水分:10.5%以下 |
カロリー含有量 | 358 kcal/100g(代謝エネルギー) |
原材料や成分について違うところを、細かく見ていきましょう。
原材料が違う
柴犬成犬用フードでは、主原料がトウモロコシや米でしたがビーグル成犬~高齢犬用フードは、主原料が肉(鶏、七面鳥)となっています。
犬種によって必要な栄養素が異なると考えると納得出来るかと思いますが、先ほども犬は肉食動物のため穀物類の消化がしづらいと解説しました。
しかし元々犬は雑食であったと言われているだけでなく、柴犬は日本原産の犬種であり、縄文時代頃より日本人と共に暮らしてきたルーツを持ちます。
他の犬種と比較すると雑食動物として暮らしてきた期間も長く、柴犬の健康な被毛や皮膚を保つために、タンパク質が欠かせません。
また、穀物は通常人間でも調理されていないものだと、十分に消化することが出来ないと言われており、これは犬も同じです。
その点、ロイヤルカナンでは穀物類を加熱処理し、犬の消化の妨げにならないよう工夫して作られています。
このようにロイヤルカナンでは、各犬種のルーツや生態、食文化だけでなく、犬に必要な栄養素と調理方法まで全てを考慮して作られているフードであることが分かります。
成分が違う
柴犬成犬用では、タンパク質:24.0%以上、脂質:12.0%以上、粗繊維:3.6%以下であった成分がビーグル用になるとタンパク質:25.0%以上、脂質:10.0%以上、粗繊維:4.7%以下と大きな違いはありませんが、どうして違いがあるのでしょうか?
柴犬と同じく猟犬であったルーツを持つビーグルも、運動量が多く食いだめをする犬種と言われています。
特にビーグルは嗅覚ハウンドと呼ばれる、においを頼りに猟を行う犬種のため、鼻が他の犬種よりも利くことから食いしん坊な子が多く、小柄な体型でありながら太りやすい犬種です。
そのため、柴犬よりも脂質やカロリー含有量を抑えることで肥満を防ぎ、粗繊維と言われる食物繊維を多く含むことで満腹感・食べ過ぎ防止が出来ます。
数値に大きな違いはないと言っても、成分やカロリーはその犬種のルーツや体型に合ったものだと言うことが分かりますね。
犬種ごとに粒の形や大きさが違う
これは、柴犬専用・ビーグル専用に限ったことではありませんが、各犬種によって粒の形は違います。
犬種によって好みのにおいや味が異なるだけでなく、食べやすい大きさや形も異なるため、それぞれに合ったフードにすることで、より嗜好性や消化性を高めています。
食いつきを良くしていると聞くと、体にとってあまり良くないものまで使用されているのではないかと心配になる方もいるかと思いますが、その点ロイヤルカナンでは各犬種に合ったものを製造している安心感がありますね。
柴犬にとって重要なこと
血統書などの発行を行っているジャパンケネルクラブ(JKC)では、毎年犬種別の犬籍登録数を発表しており、その中で柴犬は2018年度第5位の10,553頭となっています。
柴犬の血統書は、JKCだけでなく日本犬保存会という団体から発行されている子も多いため、日本で最も飼育されている日本犬は柴犬と言えます。
また現在では、日本国内だけでなく海外でも人気がありアメリカンケネルクラブ(AKC)が発表した2018年度の登録件数は193犬種中、第45位と年々海外でも登録数を伸ばしています。
そんな世界的に人気の柴犬は、一般的に丈夫で綺麗好きと言われていますが、皮膚病にかかりやすく肥満になりやすいと言われており、毎日のお手入れや食事に気を遣う必要のある犬種です。
最後に、柴犬に欠かせないお手入れやお世話について解説します。
肥満予防が重要
現在、室内で飼われることが多い柴犬は元々、狩猟犬として活躍していたため運動量は比較的多い犬種です。
猟犬や使役犬は、長い時間をかけて猟を行っていたことから「食いだめ」と言って、空腹の時間が開き過ぎないように胃袋を常に満たそうとするため、与えれば与えるだけ食べてしまう子が多いと言われています。
そのため、柴犬は筋肉質な体型をしながらも肥満になりやすく、肥満になることで病気のリスクも高くなります。
出来れば1日2回、朝・晩30分~1時間程度は散歩することが望ましいと言われていますが、最低でも1日1回は散歩へ行き、ただ歩くだけではなくボール遊びなども取り入れて、積極的に体を動かし、肥満予防を心がけましょう。
日々のブラッシングも重要
先ほどもお話した通り、柴犬は皮膚トラブルの多い犬種だと言われています。
これは、水をはじく固めのオーバーコートと柔らかいアンダーコートの二層からなるダブルコートと呼ばれる被毛を持っています。
このダブルコートは、春と秋に換毛期を迎え被毛が生え変わる仕組みとなっていますが、この二層構造が原因で、大変蒸れやすいために皮膚トラブルを引き起こします。
換毛期の時期には毎日、それ以外の時期でも出来れば2~3日に1度はしっかりとブラッシングを行うことで、皮膚トラブルを防ぐことが出来ます。
また、被毛がべたついたり、汚れた場合にはシャンプーをすることで清潔を保てますが、生乾きになることでも皮膚トラブルを引き起こす可能性が高いため、自宅でシャンプーをする際はしっかり乾かしましょう。
まとめ
獣医師やブリーダーも推奨するロイヤルカナンは、各犬種の生態やルーツ、生活習慣に合ったドッグフードを製造しています。
柴犬成犬用のフードは、柴犬のきれいな皮膚と被毛を保ち、肥満になりやすい柴犬の健康をサポートしてくれるフードです。
しかし、フード選びだけでなく、日々のブラッシングや散歩と言ったお世話も長生きや 健康を保つ秘訣のため、どれが欠けてもいけません。
ぜひ、この記事を参考にロイヤルカナンの検討やフードの見直しをしてみてください。