インコは、可愛く愛嬌たっぷりな仕草や行動をしたり、鳴くことで意思表示をしてくれます。
しかし、初めてインコを迎えた方やこれからインコのお迎えを考えている方にとっては、どうしてそう言った行動や鳴き声を出すのかを知らないと、問題行動だと感じてしまうかもしれません。
今回は、インコの鳴き声や行動・しぐさから気持ちや心理状態を知る方法について解説します。
ぜひ、この記事を参考にインコとの仲を深めてください。
インコの鳴き声から分かる気持ち
インコの鳴き声はバリエーション豊かですが、実は人と違い声帯がないことはご存知ですか?
基本的に鳥類は、鳴管と呼ばれる器官を使って声を発しており、舌の筋肉が発達しているために口の中で音の響きを変えて、様々な鳴き声を使い分けています。
こんなにも発達している鳴き声から、飼い主さんが気持ちを察することが出来ないと、飼い主さんにとっては「いつまでも鳴かれて困る」や「近所迷惑にならないか心配」と思い、鳴く=問題行動だと感じてしまうかもしれません。
まず初めに、鳴き声別に見るインコの気持ちについて解説していきます。
ピッと短く鳴く
これはインコが元々持っている鳴き方から、地泣きとも言われ驚いた時や、不安な気持ちの現れです。
見たことがないものを目にした時や、予想だにしないような出来事が起こった時に鳴きますが、飼い主さんに対して「お腹がすいた」とアピールする時にもこのような鳴き声を出す子がいます。
一般的には、緊張状態にありストレスを感じていることが多いため、思い当たるような出来事や物があれば取り除いてあげましょう。
チチチチチやギャギャギャと鳴く
威嚇や怒っている時の鳴き声で、掃除機などの苦手なものを見た時、ご飯の邪魔をされた時などに出すことが多い鳴き声です。
他のインコに「嫌なことが起こる」と警告していると言われています。
このような鳴き方をする場合は、目に見えて機嫌が悪い様子が分かり、その嫌な物や出来事を威嚇して追い払おうと鳴いています。
インコは物覚えが良く、一度でも怖い思いや嫌な思いをした出来事は覚えており、怖いと言う感情もインコの小さな体にとっては、大きなストレスです。
このような鳴き声をしている時は、離れていても一度様子を確認しましょう。
ギコギコやギョリギョリと鳴く
鳴き声と言うよりも、歯ぎしりのような何かをこすり合わせているように聞こえるこの音は、クチバシをすり合わせリラックスしている時に出す音です。
この音を出す時は、クチバシの汚れを取っていたり、クチバシを磨くためにしますが眠る前の準備として出していると言われています。
もし、この音が聞こえてきたらインコが飼い主さんに「もう寝るよ」とお知らせしてくれているのかもしれません。
インコの行動・しぐさから分かる気持ち
インコは人の言葉を真似て話すことはありますが、意味を考えて話すことが出来ない分、可愛いしぐさや行動を取ることで、飼い主さんとコミュニケーションを取ろうとしてくれています。
しかし鳴き声と同じく、どういった意味を持ってその行動を取っているのかを知らないと、そのサインを見逃してしまい、インコとの距離もなかなか縮まらないかもしれません。
次に、インコの行動・しぐさから分かる気持ちを解説します。
日常的な行動・しぐさ
一緒に暮らしていると毎日のように目にする仕草がいくつかあります。
- 首をかしげる
- 伸びをする
- クチバシをすり合わせる
- 身を乗り出す
- 物陰からのぞき見する
こういった行動は、基本的にインコがよくする行動です。
首をかしげる時や、伸びをする時、身を乗り出す時など、私たち人もこうした行動を取る時があるかと思いますが、インコも同じような心理状態の時にこうした行動を取ると言われています。
首をかしげる時や身を乗り出す時は、興味のあるものを観察したい時で、実は片目でその興味のあるものを観察しています。
鳥類は人と違い目が側面にあるため、両目で見るよりも片目で見る方が見えやすいのかもしれませんね。
伸びをする時は、リラックスしていた状態から何か行動をしようと言う時に行います。
クチバシをすり合わせる時は、先ほどの鳴き声でも解説しましたが眠い時やリラックスしている時です。
物陰からのぞき見している時は、基本的にはインコが遊んでいる時にする行動であることが多いため、飼い主さんも一緒になって遊んであげると喜ぶかもしれません。
しかし時には、何かを警戒している時にものぞき見するような行動を取るため、この行動を取った時は少し様子を観察してあげてください。
嬉しい時の行動・しぐさ
インコが嬉しいと感じた時にする行動は、こういった行動です。
- さえずる
- 首を上下に振る
- 羽繕いする
こうした行動を取っている時は、インコはご機嫌な様子であることが多くワクワクしていたり、嬉しいと言う気持ちの現れです。
首を上下に振るしぐさは、動画でも見ることがありますが、とても楽しそな様子でダンスをしているかのように見えますよね。
こうした行動をしているのを見たら、飼い主さんはインコと遊んであげたり、構ってあげるとさらにご機嫌になるかもしれません。
注意が必要な行動・しぐさ
注意が必要なしぐさは大きく分けて2つあり、1つ目は怒っている時や興奮している時、2つ目は病気や怪我が疑われる時です。
まず、怒っていたり興奮している時は、こういった行動を見せます。
- 冠羽をピンと立てる
- 尾羽を大きく開き威嚇する
- 顔の羽毛を膨らませ揺れる
- 左右に揺れフーと息を吐く
こういった時は、あまり機嫌が良くない状態であり興奮している事が多いです。
特に尾羽を大きく開いたり、顔の羽毛を膨らませている時は、威嚇しており敵意があることを体を使って現しているため、なるべく構わずそっとしておきましょう。
また、インコの中には日常的にゲージなどにつかまって羽を広げるしぐさをする子がいますが、これは自分の縄張りだと主張している時に見られる行動です。
無理にゲージなどから離そうとしないようにしてください。
体調が悪い時に見せるしぐさ
- 羽を小刻みに震わせる
- 背中に顔を埋める
- 羽毛を膨らませ動かない
- 片足をあげる
これらの行動は、病気や体調が悪い時に見せる行動です。
背中に顔を埋めたり、羽毛を膨らませ動かない場合は、寒い時に見せる行動だと言われています。
こうした行動を取った時に、部屋を暖めてもその状態から変化がなければ病気や怪我をしている可能性があります。
また、羽を小刻みに震わせる場合も寒い時に見せるしぐさですが、嬉しい時にもこうした行動を取ることがあるため、その時のインコの元気や状況をよく観察して見極めることが重要です。
片足をあげる行動は、非常に見極めが難しいと言われており、寒い時や体温調整をしている時、病気や怪我と言った重篤なサインのケースがあります。
しかし、リラックスしている時にもこうした行動を見せるため、インコの健康状態の確認を毎日行うことで、体調不良などのサインにも早期に気付くことが出来ます。
インコあるある?
これまで、インコの鳴き声や行動・しぐさから分かる気持ちを解説してきましたが、もちろんインコによって感情表現の仕方は異なることもあります。
また、何かしらの気持ちを伝えようとしている行動が、どんな意味があるのか分かっていないものまであるため、完全に理解出来ないのは飼い主さんとしては、なんだか悲しい気持ちにもなりますよね。
最後に、インコによく見られる行動は他にどんなものがあるのかをご紹介します。
飼い主さんや家族の頭の上に止まる
なんだか見下されているように感じるかもしれませんが、幼鳥の場合はどこに止まれば落ち着けるか分からずに、飼い主さんの頭の上に乗っているのかもしれません。
そもそも鳥類は、高いところに留まる習性を持つためたまたまその時の高い場所が、飼い主さんの頭上だったケースも考えられ、頭上に止まることが習慣化している子もいるかと思います。
ペットが飼い主さんの上にいる状況は、ペットが飼い主さんを下に見ていると言われることもありますが、案外お気に入りの場所であったり、愛情表現として飼い主さんの上を陣取っていることもあるため、落ち着ける場所と思われていると喜んでも良いかもしれませんね。
水道から流れる水で水浴び
インコは比較的、水浴びが好きな子が多く水道水を出していると勢いよく飛び込んでくる子もいます。
羽が濡れることで体温を下げられるだけでなく、羽についた汚れを落としたり、ストレス発散が目的であったりと、その子によって水浴びの目的は異なります。
飼い主さん主体ではなく、インコ自身が水道水に飛び込むなどをして水浴びをする分には、特に回数などを気にする必要はありません。
乾燥させる際は、ドライヤーなどは一切使用せず自然乾燥で十分だと言われていますが、家の中が濡れてしまうと気になる方は、ハンドタオルやキッチンペーパーで軽く水分を取り除くと良いですね。
まとめ
インコの鳴き声や行動・しぐさは、感情や気持ちを飼い主さんに伝えるために行っていることが多いのですが、インコよってその行動は少し違っている場合があります。
飼い始めでまだどういった気持ちを現しているのか、判断が難しい時には注意深く観察することで、インコとのコミュニケーションを円滑に取ることが出来ます。
しかし、楽しいや嬉しい怒っていると言った感情だけでなく、病気や怪我をしているサインの場合もあるため、表情や行動、鳴き声だけでなく身体に異常がないか毎日チェックしてみましょう。