ひっかくイメージのある猫ですが、意外と噛んだり、なめたりすることの方が多いですよね。
しかし、その噛んだりなめたりする行動には、愛猫からのサインであったり、心理が隠されていることがあります。
今回は、猫が噛んだり、なめたりする理由と心理、噛む時のしつけ方について解説していきます。
この記事を参考に、人間の言葉を話さない愛猫の気持ちや、心理を理解できる飼い主さんを目指しましょう。
猫が噛む理由と心理
撫でていて気持ちよさそうにしていたと思ったら噛んだり、何もしていなくても噛んできたり、と噛むと言っても、いろんなシチュエーションがありますよね。
まず、猫が噛む理由と心理について解説していきます。
歯が痒いよ~
子猫が特に理由もなく、飼い主さんの手や、家具などを噛む時がありますよね。
猫の乳歯は、生後2週間くらいで生え始め、生後1か月で生えそろいます。
猫は人と違い、永久歯が生えた後、入れ替わるように乳歯が抜けます。
その乳歯が抜ける時に、ムズムズとした痒みを感じて、飼い主さんの手や、家具などを噛み痒さを紛らわせています。
しつけをせずに放置してしまうと、噛み癖となってしまい成猫になっても、手や家具などを噛むこともあります。
もうやめて!
撫でてほしいと、傍に来たと思い撫でていると突然、噛んでくる時はありませんか?
これは、愛猫が「撫ですぎ!」と飼い主さんに伝えています。
猫はよく気分屋と言われますが、愛猫が撫でてほしいと思っていても、次第に撫でられることに飽きてしまいます。
飽きるまでの時間は、その猫やその時の愛猫の気分次第のため、飼い主さんは噛まれる前に、愛猫が嫌がる素振りをしていないかしっかり観察しましょう。
獲物だ!
猫は、犬と比べると本能を色濃く残している動物です。
元々、噛んだり・引っかいたりと言った行動は、獲物を狩る動作であり、それらの行動は猫にとって遊びでもあります。
そのため、飼い主さんが室内を移動している時などに、飼い主さんを獲物に見立てて攻撃をしてくることがあります。
特にひらひらと動く手や、風で動くものに反応するのは、こういった猫の本能からの行動でもあります。
猫が噛む時のしつけ方
猫の成長によるものであったり、本能であったりと、そのシチュエーションによって猫が噛む理由や心理は、異なります。
上記でご紹介した以外にも、病気や怪我で痛い場所だったために愛猫が噛んだり、恐怖心から噛むこともありますが、そういった場合は飼い主さんもどうして噛むのか、すぐに理解できますよね。
しかし、本能や歯の痒みなどの場合は、どういったしつけを行えば良いのでしょうか。
噛んでも良いおもちゃを教える
生まれて間もなく、親猫や兄弟猫と離れてしまった子猫の場合、噛んで良いものや噛む力加減を知らないため、飼い主さんの手を力強く噛んでしまったり、噛んではいけないものを噛みます。
もし、飼い主さんの手や噛んではいけないものを噛もうとしたら、噛んでも良いおもちゃを与えてあげましょう。
この時選ぶおもちゃは、なるべく口の中を怪我しない柔らかいおもちゃが良いです。
1度おもちゃにすり替えただけで、すぐに覚えるわけではないため、何度も繰り返し行うことで、次第に愛猫も噛んでも良いものの区別がつくようになります。
愛猫のサインを見逃さない
猫は噛む前に必ず、何かしらのサインを飼い主さんに出しています。
瞳孔を丸く開いて、耳をピンと横に広げていたり、尻尾をパタパタと振り出した場合は「もうやめて!」のサインです。
基本的に、猫は目や耳を使ってカーミングシグナルを飼い主さんに送っているため、噛まれる前に愛猫の心理に気付き、やめてあげることが大切です。
愛猫と遊ぶ
先ほども解説した通り、猫は野生時代の名残を色濃く残しているため、本能的に行動を起こすことがあります。
突然噛まれることがある場合は、愛猫の狩猟本能を満たしてあげるような遊びをしましょう。
おもちゃを使って、虫や鳥などの猫の獲物になる生き物の動作を真似て遊ぶとで、愛猫の狩猟本能を満たすだけでなく、ストレス解消にもなります。
この時、必ず飼い主さんの手や足ではなく、おもちゃを使って遊ぶようにしましょう。
噛まれてしまったら
どれだけ気を付けていても、噛まれてしまうこともあるかもしれません。
そういった時、咄嗟に手を引っ込めようとするかと思いますが、反対に手を口の奥に入れることで、それ以上噛めずに噛むことをやめる場合があります。
無理に引っ張ろうとすると、飼い主さんも痛いだけでなく、ムキになって噛み続ける猫もいます。
「痛い!」や「ダメ!」と大声を出すことも効果的なため、酷い噛み癖に発展してしまっている場合は、噛み癖防止スプレーなどを併用しながら、根気よくしつけましょう。
猫がなめる理由と心理
実は、猫は起きている時間の3分の1もの時間をグルーミングに費やしていると言うことは、ご存知ですか?
人間よりも睡眠時間の長い猫が、それだけの時間を費やすほど、なめると言う行為は猫にとって非常に大切な感情表現の一つの方法でもあります。
主に猫のグルーミングには、体を綺麗にしたり、リラックスするために行われる行為ですが、飼い主さんなどを舐める場合は、どういった理由や心理が隠されているのでしょうか?
飼い主さん大好き
多頭飼いの場合や、野良猫を見かけた時に、猫同士でグルーミングをしている姿を見たことはありませんか?
猫は、親猫や兄弟猫などの本当に仲の良い、信頼した相手にしか、お互いをなめ合うという行為をしません。
飼い主さんをなめる場合は、愛猫が飼い主さんに気を許している証拠であり「大好きだよ」と伝えてくれています。
また手や足だけでなく、顔をなめてくれる場合は、愛猫からの最大の愛情表現でもあります。
本来、動物は人間の顔を怖がるため、顔を近づけられることを好みません。
そのため、愛猫から顔をなめられたときは「飼い主さんは大切な人です」と伝えていると言われています。
敵意はないよ
初対面の猫でも、なめてくれる子はいますよね。
これは「あなたに敵意はありません」と、伝えている行動です。
初対面の場合、人だけでなく猫も緊張していることがあるため、なめることで攻撃する意志がないことを伝えてくれています。
かまってよ~
愛猫が暇を持て余している時や、愛猫がなめながら喉をゴロゴロと鳴らしている場合は「遊んでよ」「かまってよ」と、甘えている時にする行動です。
こういった行動が見られたときは、優しく撫でてあげることが大切です。
なでることで愛猫との信頼関係もより一層、強いものになります。
ありがとう!
愛猫のブラッシングをしている時に、飼い主さんをなめることはありませんか?
これは、愛猫が「ありがとう」と伝えてくれている行為です。
先ほども解説した通り、気心の知れた信頼している相手にしかグルーミングをしない動物のため、飼い主さんにブラッシングしてもらったことに対して、愛猫がお礼をしてくれています。
まとめ
猫だけでなく、犬やその他の動物にも言えることですが、噛んだりなめたりする行動には、その動物の気持ちや心理が隠れています。
普段何気なく一緒に暮らしている愛猫は、人間の言葉を話さないと言っても、案外飼い主さんに対して愛情表現をしてくれていたり、感謝の気持ちを伝えてくれていることもあります。
ぜひ、愛猫の様子を観察して、気持ちを汲み取ってあげましょう。