猫の去勢は動物病院から勧められたり、里親になる時には必ず条件となっていますが、猫の去勢にはどんな意味があるかご存知ですか?
愛猫の去勢手術を悩んでいる方や、これから去勢を行う予定の方、地域猫の活動を行っている方にぜひ知っておいて欲しい、猫の去勢の意味や時期はいつ頃がいいのかと、気になる費用や助成金について調べてみましたので、ぜひ参考にしてくださいね!
猫の去勢の意味は?
猫を動物病院に連れて行ったら、獣医師から去勢手術を勧められたことのある方も多いでしょう。
去勢なんてかわいそう、と思っている人も少なくありませんし、実際に猫の避妊・去勢手術には賛否両論あります。
そこでここでは、猫の去勢の意味や去勢するデメリットについて見ていきましょう。
去勢する意味
オス猫には、決まった発情期はありません。
生後6ヶ月~10ヶ月ほどで、性に対して成熟期を迎えます。
家で飼われている猫でも、外のメス猫のニオイや鳴き声に刺激され、大きな声で鳴くようになるほか、自分のおしっこを壁や家具などに掛けるスプレー行動を取り始めます。
外に出ない猫であれば、メス猫に会うことができないため、繁殖行為を行う欲求が満たされることはなく、大きなストレスとなってしまうのです。
場合によっては、ストレスで攻撃的になってしまうこともあるため、ストレスを緩和させたり、発情期に起こるスプレー行動や鳴き声対策として、去勢をすることが猫にとっても飼い主にとっても意味があるとされています。
去勢したら病気が防げることも
猫の去勢に、病気の予防があげられますが、去勢することによって攻撃的な行動が落ち着くため、他の猫とのケンカが少なくなり、感染症や猫エイズのリスクが低くなります。
また、前立腺肥大や精巣腫瘍の発症リスクが下がるとも言われていますが、オス猫は犬よりも生殖器系の病気になる確立がもともと低いため、病気の予防としての意味はあまりないという研究結果もあります。
家の中から出すことのない猫であれば、外でのケンカに巻き込まれることはありませんが、脱走してしまうことがないとは言えないため、ケンカによる感染症のリスクを下げたり、外で繁殖行為を行って、野良の子猫を作ってしまうことを防ぐためにも去勢は必要なのかもしれませんね。
去勢するデメリット
猫の去勢には、もちろんデメリットもあります。
去勢手術を受けるには全身麻酔が必要になり、麻酔で命を落とす可能性はゼロではありません。
猫の去勢手術は開腹手術ではないため大手術ではありませんが、手術自体は30分程度で終わってしまいますし、動物病院ではしっかり事前検査を行い、手術中に何か起きてもすぐに対処できるように万全の体制で行ってくれますが、麻酔がどう影響するかは、その猫によってわからないのです。
また、去勢手術後はホルモンバランスの崩れや代謝の低下により、肥満になるリスクが2倍になってしまいます。
去勢手術をした猫はそれまで以上に食欲が増えますが、それまでのご飯の量を3分の1程度減らす必要があるため、ストレスを感じてしまうこともあります。
猫の去勢する時期はいつ?
猫の去勢を考えている方にとって、いつの時期に手術をしたらいいのか悩まれると思います。
動物病院によっても適正時期にバラつきがあり、早すぎると断られた、なんてこともありますし、すでに成猫や老猫であれば、いつ去勢をしたらいいかわかりませんね。
ここでは、猫の去勢する時期を見ていきましょう。
一般的には生後6ヶ月~10ヶ月
動物病院で勧められることの多い時期は、一般的に生後6ヶ月~10ヶ月です。
初めての発情期を迎える前が良い、としていますが、発情期を迎えてしまうと性格が攻撃的になっても、去勢によって落ち着くかは分からないといった見解ですが、実際には去勢によっての猫の性格の変化は、発情期の前でも後でも見られることはあるので、その猫次第によります。
また、子猫の去勢手術をするにあたっては、予防接種が済んでいることや、ノミやダニの駆除、寄生虫の駆除が終わっていることが条件とされます。
特に決まった時期はない
生後5ヶ月の猫の去勢は早すぎると断られた、1歳未満で去勢をすると膀胱炎になると言われたなど、獣医師によっても見解が違うこともあります。
が、早い時期に去勢をしても高齢になって去勢をしても、手術の影響による合併症が多いとは証明されておらず、早い時期に去勢をすると膀胱炎になる、ということも科学的根拠がないと獣医師会からも発表されています。
猫の去勢には決まった時期はなく、先延ばしにしても命に係わるような疾患を引き起こす可能性はほとんどありませんので、生後6ヶ月過ぎてしまった、1歳になってしまったと焦る必要はありません。
猫の去勢にかかる費用は?
猫の去勢には、どれくらいの費用が必要になるのでしょうか?
ここでは、猫の去勢にかかる費用について見ていきましょう。
平均して10,000円~20,000円
猫の去勢にかかる費用は、動物病院によっても違いますが10,000円~20,000円前後です。
通常であれば日帰り手術となりますが、傷口の状態によっては1泊入院となることもあります。
ペット保険に加入されている方も多くなってきましたが、生殖器の病気になり、治療の一環で睾丸を摘出した場合は保険適用となりますが、健康体での去勢における事前検査や去勢手術は保険適用外となります。
また、地域猫や野良猫の去勢手術を行う場合では、野良猫の避妊手術を専門でを行う病院もあり、去勢であれば4,000円前後で手術をしてもらうことができます。
猫の去勢に助成金は支給される?
猫の去勢のかかった費用の一部を、助成金として支給してくれる制度があります。
飼い主のいない野良猫や地域猫、保護猫を対象としていることが多いのですが、飼い猫でも助成金を貰うことができるのでしょうか?
飼い猫を野良猫と偽って申請しようと考える方もおられますが、それぞれがきちんと対抗策を講じているため、まず不可能です。
それでは、猫の去勢の助成金について見ていきましょう。
市区町村の助成金
助成金の利用を考えている方は、お住まいの市区町村や、勤務先の住所がある市区町村のHPを確認してください。
飼い猫の去勢に助成金を支給してくれるところもあれば、野良猫の去勢しか助成金を支給してくれないなど、その市区町村によって条件や金額、事前申請や事後申請、動物病院の指定など、内容がまったく違います。
ほとんどの市区町村は予算が決まっているため、先着何頭までなどが明記してありますので、細かいところまでしっかり読むようにしましょう。
獣医師会の助成金
獣医師会でも、その登録されている地域によって、去勢の助成金を支給してくれるところがあります。
飼い猫を対象としていたり、野良猫だけが対象であったりと、獣医師会によって条件や金額等まったく異なります。
市区町村の助成金と同時に受け取ることができるため、お住まいの地区の獣医師会のHPを確認してみましょう。
日本動物愛護教会の助成金
また、社団法人日本動物愛護教会でも、飼い主がいない猫に対しての去勢には助成金を支給してくれます。
術前と術後の猫の耳カットが施されたかの確認の写真が必要になり、獣医師の証明書など揃えてからの手術後の申請となりますが、2019年度は5000円の助成金が支給されます。
毎年金額が変わることもあるため、HPで確認するようにしてください。
猫の去勢について知っておこう!|まとめ
今回は猫の去勢の意味や時期、かかる費用や助成金についてご紹介しました。
猫の去勢には賛否両論ありますが、愛猫や地域猫など飼い主のいない猫のことを考え、猫にとって一番いい方法を考えてあげてください。
また、助成金を上手に活用して、その分猫たちに美味しいものを食べさせてあげましょう!