愛猫の声がいきなりかすれ声になった、または出なくなったら驚きますよね。
なかには生まれつき声が出ない猫もいますが、突然鳴き方に変化があった場合は心配になります。
声が出なくなる原因には環境や病気などがあります。
ここでは考えられる原因と、飼い主のできる対策をご紹介します。
愛猫のため、早めに対応してあげましょう。
生まれつきや性格により声が出ない猫もいる
猫のなかには、生まれつき声が出ない子や、鳴くことが苦手な子がいます。
苦手な子は、声を出しているつもりが出ていなかったり、かすれ声になったりしています。
私の愛猫にも鳴き方が下手な子がおり、鳴くと「ハァ~ッ」「ヒャァ~」というような、かすれ声を出します。
また、猫の性格によりあまり鳴かない子もいるようです。
人間でも物静かな人がいるのと同じように、あまり要求をしない、訴えない猫ですね。
猫の種類でいえば、ロシアンブルーはあまり鳴かないと言われています。
このように、生まれつき上手に声が出せない、または訴えが少ない猫もいるので、声が出ないからといって一概に問題であるとは判断できません。
いつから声が出ないのか、環境で変わったことがあるか、他症状の有無などを総合的に観ていきましょう。
環境の変化によって声が出なくなる
病気ではないが、周りの環境が影響して鳴き方に変化が出るときがあります。
環境による要因は主に以下のものがあります。
声が出なくなる以前に、なにか変わったことがなかったかを確認しましょう。
鳴きすぎにより声が枯れた
鳴きすぎたことにより、声が出ない、またはかすれ声になることがあります。
人間でも、大声を出した翌日に声が枯れていることがありますよね。
猫も同じで、鳴き続けることで喉に炎症を起こし声に変化が出ます。
猫が鳴き続ける原因としては、
- 猫同士の喧嘩
- 発情期
- 飼い主の長時間の不在や、ペットホテルなどに預けた
などがあります。
心当たりはありませんか?
猫同士の喧嘩は野良猫だけでなく、家のなかで多頭飼をしている場合にも起こります。
喧嘩する子というのはだいたい決まっているので、お互い距離を保ち、喧嘩になる前に止めに入れるよう注意深く観察しましょう。
発情期では、異性を求め鳴き続けます。
子猫を生ませる予定がないのならば、避妊・去勢をすることをおすすめします。
長時間の不在などは仕方がないのですが、猫にストレスを溜めないよう、普段から訴えを聞いてあげ、猫にかまう時間を作ってあげてください。
寝起きで声がかすれている
1日のなかでも、朝起きたばかりであれば声が出しづらいこともあります。
朝、声が出ないが時間が経つにつれ声が出てくるようであれば問題ないでしょう。
声が出ない時間帯に共通性があるのかなども、日々観察していきましょう。
ストレスで声が出なくなった
猫は繊細な生き物で、小さなことでも敏感に捉えストレスを抱えます。
猫が鳴かなくなる前に、なにか変わった環境はありませんでしたか?
たとえば、
- 引っ越しをした、部屋の模様替えをした、トイレや寝床の位置を変えた
- 新しい猫を迎えた、または家族が増えた
- 長期間留守をした
- 家の周りで工事など騒音がする
などです。
ストレスは病気も招きやすくなります。
ストレスとなっている原因を突き止め、安心できる場所をつくるなど、なるべく配慮し対応してあげましょう。
去勢・避妊手術後の数日間は声が出ないことも
去勢や避妊手術で麻酔をしたり、喉に管を通すことから一時的に声が出づらくなります。
手術後で心配もあると思いますが、これは数日経てばもとに戻るので安心してください。
しかし、しばらくしてもなかなか声が出ない場合は再度受診し、先生に相談しましょう。
病気が原因で声が出なくなる
病気により声が出なくなる、あるいは鳴き方が変わることがあります。
このような場合には、他にも症状が見受けられるはずです。
命にかかわることもあるので、早期に病気をみつけて治療を開始してあげましょう。
咽頭炎による喉の炎症
猫の咽頭炎は、危険物の誤飲や、有毒ガスの吸入、ウイルスなどが原因で起こります。
これらにより喉の粘膜が炎症を起こし、咳やよだれの出現、声が出なくなる、首のリンパが腫れたりします。
放っておくと呼吸困難に陥ることもあるので、いつもと違う様子に気づいたら早めに病院を受診しましょう。
また、猫にとっての危険物や有害なものは棚の中に隠したり、近くで使用したりしないよう心掛けてくださいね。
気管支炎や気管虚脱による気管の病気
・気管支炎(喘息)
細菌やウイルス、アレルギーが原因となり気管支に炎症を起こします。
また鼻炎や咽頭炎を放置した結果、気管支にまで炎症を及ぼすこともあります。
咳やくしゃみ、声の変化、鼻水が出る、息が荒い、発熱や食欲不振など、呼吸器系だけでなく全身の症状として現れます。
アレルギーにより引き起こされた場合は、なるべくアレルゲンを除去できるよう努めましょう。
気管虚脱
気管を支えている軟骨が弱ることで、気管が潰れてしまう病気です。
症状として、声が出ない、または「ガーガー」というガチョウの鳴き声のような声を発する、咳が出る、などです。
無症状で経過し、突然発症することもあります。
発症し症状が進行すると、呼吸がしづらくなる、チアノーゼが出る(口腔内が白っぽくなる)、失神や窒息などを起こす怖い病気です。
昔は不治の病として知られていましたが、近年では治療法も確立されています。
猫では珍しい病気ですが、鳴き方や咳に心当たりがあるときは一度受診してみましょう。
猫風邪によるもの
猫カリシウイルス感染症、猫クラミジア感染症、猫ウイルス性鼻気管炎は猫風邪と呼ばれています。
猫風邪では、鼻水や咳、声がかすれる、よだれが出る、発熱、元気がなくなり食欲が減る、などの症状が現れます。
しかし、感染した病気により症状も異なるので、なにか異常を感じたら早めに病院へ行き診てもらいましょう。
予防として、ワクチン接種や、免疫力を高める方法があります。
副作用などのリスクも考え、先生と相談しながら行ってくださいね。
ときどき声を出さずに鳴く、それは「サイレントニャー」かも?
普段はちゃんと声を出して鳴いているが、ときどき声が出ていない。
それは「サイレントニャー」かもしれません。
サイレントニャーとは、口を開けて鳴いている動作をしているが、声が出ていないときの鳴き方です。
子猫が母親を呼ぶときにこのような鳴き方をすることがありますが、実は成猫でもサイレントニャーをするときがあります。
どんなときにサイレントニャーをする?
まとめ
生まれつきや性格により、鳴くのが下手な猫、あまり鳴かない猫もいます。
一方、突然声が出なくなった場合や声に変化が現れた場合には、環境や病気が原因となっていることがあります。
声が出ない、聞こえないからといって、見過ごさないでください。
行動や症状など、なにかを通して一生懸命に伝えようとしています。
しっかりと観て、聴いて、猫の出すサインに気づいてあげましょう。