猫は魚が大好きというイメージがありますよね。
そんなに魚が好きならば、やはり生の刺身を与えたいと考える飼い主さんも多いと思います。
猫に刺身を与えても大丈夫なのでしょうか。
万が一生魚を与えて下痢などの症状が現れたら心配ですよね。
生ではなく火を通したほうが安全なのかも気になります。
この記事では、猫に刺身を与えても大丈夫なのかや、与える際の注意点、与えてはいけない魚などをまとめました。
猫は魚が好きなの?
猫といえばお魚大好き、というイメージがありますよね。
しかし、ライオンなどほかのネコ科の動物は、獣肉を好むイメージがありませんか?
実は、猫はお魚が好きというイメージは、日本特有のものなのです。
アメリカなど外国では、猫はウサギや鶏、ネズミなどの獣肉を好むものという認識があります。
そもそも猫は獣肉を好んで食べる動物です。
しかし、日本は島国であり昔から漁業が盛んでした。
そのため、漁師さんから余った魚などを貰って暮らす猫が多く存在しており、このことから日本では、猫は魚が好きというイメージが強くなりました。
実際日本の猫は魚を好む子が多いようですが、猫は水が苦手ということもあり、野生化では獣肉を食していたため、実際は魚より獣肉を好む傾向にあります。
猫に刺身を与えても大丈夫?
猫にマグロなどの生魚を与えても、特に問題はありませんが、与える際には必ず食用の刺身にしてください。
また、与える際には注意点や与えてはいけない魚介類も存在します。
必ずそれらを確認したうえで与えるようにしてください。
次からは、与えてはいけない魚や、与える際の注意点などを詳しく見ていきましょう。
与えてはいけない魚介類
猫に刺身を与える場合は、人間も生で食べられるレベルの食材を使用してください。
また、アニサキスなどの寄生虫が潜んでいる場合もありますので、与える際は寄生虫の有無にも気を配りましょう。
また、フグなど毒性のある魚は毒抜きをしてあっても与えるべきではありません。
さまざまな種類のある刺身ですが、猫にとって与えることで病気を引き起こす種類もあります。
ここでは、猫に与えてはいけない魚を詳しく紹介します。
与えてはいけない魚介類①:青魚
青魚はEPAやDHAなど猫にとっても良い栄養素が豊富に含まれています。
しかし、摂りすぎると飽和脂肪酸により、猫の体内の脂肪が酸化してしまうイエローファットになってしまいます。
イエローファットは、ビタミンEが欠乏しているとかかりやすいといわれています。
火を通しても、イエローファットのリスクは変わりません。
サンマやサバなどの青魚を与えすぎないように注意しましょう。
与えてはいけない魚介類②:甲殻類
イカ、タコ、エビなどの甲殻類は、チアミナーゼという分解酵素を大量に含んでいます。このチアミナーゼは、ビタミンB1を破壊してしまうため、ビタミンB1欠乏症を引き起こします。
与えないにこしたことはありませんが、万が一与える際には、火を通すことでチアミナーゼは破壊されるため、必ず火を通してから与えるようにしてください。
与えてはいけない魚介類③:貝類
貝類は猫にとって毒になるものが多いため、与えないようにしてください。
貝の毒は光線過敏症を発症し、耳の毛の薄い場所などに発症しやすいと言われています。
症状は腫れやかゆみで、進行すると組織が壊死してしまうこともある恐ろしい病気です。
貝類を生で与えることは絶対に避けるようにしてください。
与える際の注意点
猫に刺身を与える際、どのようなことに注意すれば、安全なのでしょう。
ここでは、猫に刺身を与える際の注意点を詳しく紹介します。
与える際は少量
どの魚も、タンパク質や脂質などが含まれています。
種類によって量は異なりますが、これらの栄養は普段食べている総合栄養食(キャットフード)で十分足りている栄養ですので、与えすぎると過剰摂取に繋がり、肥満をはじめ健康を害してしまう恐れがあります。
与える際は、切り身半分ほどを少量与えましょう。
また、消化器官の未発達な子猫や、消化力の低下しがちなシニア猫には与えないほうが良いでしょう。
味付けはしない
私たちが刺身を食べる際、醤油やワサビなど味付けをして食べることが多いですよね。
醤油やワサビなどの味付けは、猫にとっては味が濃すぎるほか塩分の過剰摂取などに繋がります。
猫に刺身を与える際には、無駄な味付けは一切せず、そのまま与えるようにしてください。
寄生虫に気をつける
生魚には、寄生虫が付着している可能性があります。
有名な寄生虫は、近年私たちの間でも度々話題になっているアニサキスですが、アニサキスは猫にも同じように寄生します。
ほかにも生魚にはさまざまな寄生虫がついている可能性があります。
与える際は新鮮な魚を使用して、寄生虫がいないかよく確認してから与えるようにしてください。
アレルギーに注意
魚は肉の中でも低アレルゲンといわれていますが、猫はタンパク源の種類にアレルギーを持つ体質の子もおり、主に動物性タンパク質に多く見られます。
症状はアトピー性皮膚炎に似ていますが、違うところは下痢、嘔吐を伴うことです。
皮膚にかゆみや炎症が見られ、さらに下痢や嘔吐が見られる場合には、食物アレルギーの疑いがあります。
また、食物アレルギーは一回では症状がなく、蓄積されることで発症する場合があります。
一回与えて何も症状が無いからと言って、過信しないように注意しましょう。
火が通したほうが無難
生の刺身のほうが猫には良いように思えます。
しかし、火を通すことで余分な脂分や寄生虫を除去できます。
安全に猫に魚を与えたいのであれば、火を通したほうが安全に与えることができます。
しかし、中には火を通しても生きている寄生虫などもいるため、完全に安全とは言い切れません。
迷ったら与えない
刺身は猫にとって必ず必要な食べ物ではありません。
毎日の栄養バランスは、良質なフードを与えていれば十分摂ることができます。
また、キャットフードは猫の栄養バランスや健康維持、消化吸収など猫に合わせた配合となっているため、必ず主食は総合栄養食と表記のあるキャットフードを与えましょう。
刺身はあくまでもおやつ感覚であり、お腹の弱い子やアレルギー体質など、与えるべきか迷った場合には、与えるのを控え方が無難です。
まとめ
猫はもともとウサギやネズミを捕食する肉食動物で、魚を食べる習慣はありません。
日本が島国で漁業が盛んであることから日本では、猫は魚を好んで食べるというイメージが強いようです。
猫に刺身を与えても問題はありません。
しかし、与える際には人間でも食べることのできる新鮮な魚を与えてください。
また、青魚や貝類、甲殻類は与えることで病気の原因になることもあるため注意が必要です。
また、与える際には寄生虫やアレルギーなどに気を付けながら、少量を与えるようにしましょう。
刺身は必ず与えなければいけない食べ物ではありません。
猫の体質や与える目的などをよく把握し、与えるべきか判断しましょう。