ドブネズミを品種改良して作られたペット「ファンシーラット 」犬のように懐く、なんて言われていますが、もちろん初めは知らない人間に対しての恐怖心や警戒心がありますし、すぐに懐いてくれる訳ではありません。
今回はそんなファンシーラットの懐かせ方とその条件、性別によって違うの?すでに噛み癖のある子の慣らし方は?という疑問にお答えします。
初めに理解しておくこと
人懐っこいと言われるファンシーラットですが、懐き方のレベルは様々です。
べったりと懐く子から、どちらかと言うと1匹でいる方が好きな子、触られるのは嫌いだけど飼い主にくっついているのは好き。などそれぞれの性格があるため、懐かせ方も様々。
これをすれば必ず懐く!という懐かせ方はありません。
中には、どうしても慣れずに噛み付いてしまう子もいるでしょう。
どんな性格の子であっても向き合う覚悟を持って飼って下さいね。
なつく条件と懐きやすい性別
初めからその子の性格を把握することは出来ませんが、比較的懐きやすくなる条件・懐くようになる子の特徴をまとめてみました。
母ラットの性格
性格には親からの遺伝が大きく関係します。
人懐っこい母親から産まれたファンシーラットは人懐っこくなる可能性が高いです。
その子の詳細が分かるブリーダーの元から購入するということも1つの方法です。
ハンドリングの質と量
ブリーダーやペットショップでどのくらい時間をかけ、どのような懐かせ方をしているかも大切です。
購入する際には是非触らせてもらい、興味を示して手に寄ってくる子を選ぶと良いでしょう。
性別はオスがおすすめ
オスの方が甘えん坊でおっとりした子が多い傾向にあります。 かと言ってメスが攻撃的な訳ではなく、活発でツンデレな子が多いようです。
べったり甘えて欲しい方にはオスがおすすめです。
飼育頭数は1匹で
多頭飼育をするよりも1匹で飼う方が懐いてくれやすいです。
多頭飼育ではどうしてもファンシーラット同士のコミュニケーションが主になるので、1匹で飼う方がベタ慣れになります。
耳の形は大きい方がいい?
ダンボラットの方が穏やかな性格をしている傾向にあります。
ダンボとは、通常頭の上についている耳が、名前の通りダンボのように横についているファンシーラットのことを言います。
これはデータがある訳ではなく感覚的なものなのですが、ラット飼いの中ではダンボは甘えん坊だと言われることが多いです。
赤目ちゃんは上級者向け
黒目より赤目の方が怖がりさんが多い傾向にあります。
そもそもファンシーラットは目が悪いのですが、赤目の子はより視力が劣っています。
ぼんやりとしか見えていないため、急に手を近付けると怖がったり、場合によっては攻撃に出たりするという子もいます。
逆に、怖がり故に大人しいということもあるようです。
毛の種類でも性格が違う
スキニーラット/ヘアレスラットなどと呼ばれる毛の無い種類のラットがいます。
スキニーは少し気が強めな子がいる印象で、ツンデレタイプが多いようです。
ベタ慣れを目指すならまずはストレートやレッキス(巻き毛)など毛の生えた子がおすすめです。
ただし我が家のレッキスはお迎え当初からの噛みラットでしたので、例外もあるでしょう……
ちなみに今では全く噛まないベタ慣れさんになっております。
お迎え後の慣らし方・懐かせ方
懐きやすい条件をいくつか挙げましたが、結局はやはり個体差というのが大きいです。
そして、それに加えて生活環境や接し方も大切ですので、ここからはお迎えした後の懐かせ方をご紹介します。
スキンシップをとる
1番の懐かせ方は、なによりもスキンシップを取ることです。
多くのペットは、お迎えしたら数日〜1週間はなるべくそっとしておくように。
などと言われますが、ファンシーラットはお迎え当日から触ってOKです。
移動や緊張で疲れている様子であれば初日は休ませてあげますが、2日目からはスキンシップを取りましょう。
耳の後ろが好きという子が多いので触ってみて下さい。
怖がらせないこと
たくさんスキンシップを取ることは大切ですが、乱暴な触り方や怖がらせるようなことはやめましょう。
慣らすのには時間がかかりますが、恐怖を感じて敵対視されるようになるのは一瞬です。
1度高まった警戒心を解くのには時間がかかります。
また、恐る恐る触るのも緊張が伝わりよくありません。
多くの場合はラットが緊張して固まるので、堂々と触っていれば大丈夫です。
ただし、フシュフシュと威嚇をしている場合・興奮状態にあるときは噛み付いてくる可能性が高いため落ち着いてからにしましょう。
隠れられる場所は少なく
狭いところに入るのが好きなラット。
安心出来る隠れ家を作るのは良いことですが、警戒している内は引きこもってしまいます。
そもそも出て来てくれないようでは中々懐かせることが出来ません。
その内ケージ自体にも慣れて行くので、初めは隠れ家は置かないようにしましょう。
手からペレットを与える
ペレットやおやつを手から与えることで、人への恐怖心や警戒が解けて行きます。
幼い内はより栄養が必要ですし、肥満にも繋がるため、おやつの与えすぎには注意して下さい。
出来れば主食のペレットでコミュニケーションを取るのがベストです。
大きいままだと持ち帰ってじっくり食べ始めてしまうので、ひと口大に砕いたものを何度か与えることをおすすめします。
噛みラットの懐かせ方
初めから噛みラットだった場合や、すでに噛み癖が付いてしまった子もいるでしょう。
そんな子達と接するときの注意点と慣らし方、懐かせ方をご紹介します。
噛むことを忘れさせる
すでに噛みラットになってしまっている場合、これ以上噛むという経験をさせないことが重要です。
慣らそうと無理をすることで噛み癖を強化してしまい兼ねません。
・抱っこすると噛むなら抱っこをしないこと
・特定の場所を触ると噛むならそこを触らないこと
・特定のシチュエーションで噛むならそれを避けること
・触るだけで噛むなら無理に触らないこと
直接は大丈夫だけれどケージ越しだと噛むとか、睡眠中・食事中なら噛まないとか、噛まれないタイミングは何処かにあります。
それを探して触ること、噛む前に必ずある前兆を見極めて噛まれそうになったら逃げること。
こうして噛むという行為をさせないことが重要です。
おやつを与える
懐きやすそうな子であれば、ペレットでコミュニケーションを取ることをおすすめしました。
ですが噛みラットの場合はもっと嗜好性の高いおやつの方が良いです。
ファンシーラットは雑食寄りの草食性で、割と様々なものを食べることが出来るので好みのものを見つけてあげて下さい。
ただし、大好物のあまり興奮して指ごと噛み付いてくる場合もあるので気を付けましょう。
そのような子には「ラクトバイト 」のようなチューブ状の小動物用栄養補助食がおすすめです。
これなら勢いよく奪われることも手を噛まれることもないでしょう。
与えすぎると下痢をすることがあるので限度は守って下さいね。
決まった噛むシチュエーションがあるのであれば、噛み付く前におやつを与えて物理的に噛めなくするのが効果的です。
どうしても噛み癖が治らない場合
最終手段は歳を重ねて性格が丸くなるのを待つことです。
気が遠くなりそうな答えですが、これを願うしかない子もまれにいるようです。
殆どは1歳を超えると落ち着きが出て来て、一段と懐き始めることが多いです。
ちなみに我が家の噛みラットは1歳半頃にようやく落ち着きました。
それまではやんちゃな時期を楽しみましょう。
きつく叱ったり罰を与えたりすることは逆効果ですので絶対にしないで下さい。
まとめ
ファンシーラットの懐かせ方、性別による違いについての疑問は解決出来ましたか?
性格形成には、遺伝と個体差、接し方が大きく関わります。
とにかく人間を警戒する必要がないこと、ここは安心出来る場所だと思わせてあげましょう。
ベタ慣れは理想的かもしれませんが、クールな子も、怖がりな子も、それぞれの魅力であり可愛い家族であることに変わりありません。
ぜひ素敵なラットライフを送って下さい!