ハムスターが日中ずっと寝ている、どこか具合が悪いのかと心配になる飼い主さんは少なくないでしょう。
ハムスターは、日中は眠って過ごし夜中に活動する「夜行性」の生き物です。
日中眠っていることは問題ありませんが、夜中もずっと寝ているようであれば健康面に異常が考えられます。
そこでこの記事では、夜行性ハムスターの睡眠時間やずっと寝ている際に考えられる原因と対策法などをまとめました。
ハムスターは「夜行性」です
私たちは日中活動をし、夜中は眠って過ごしますよね。
しかし、ハムスターは真逆で日中は眠って過ごし夜中に活動する「夜行性」の生き物です。
活動時間は18~5時の間で、エサを食べたり回し車で運動をして過ごします。
ハムスターの1日の睡眠時間は平均14時間と言われています。
私たちの様にまとまった睡眠はとらず、10~15分程の睡眠を繰り返していると考えられています。
これは、天敵から狙われることの多いハムスターが、身を守るための防衛法でもあります。
お世話は夕方以降にする
夜中寝ている時に、部屋の掃除をされてはストレスになりますよね。
それはハムスターも同じです。
私たちの活動時間は日中ですが、ハムスターのお世話をする際は、ハムスターの活動時間に行いましょう。
夕方から夜が理想です。
ハムスターが活動を開始したタイミングで行うのも良いでしょう。
一緒に遊んだりお散歩をさせるのも、活動時間に行うことが理想です。
日中はなるべく静かな部屋で、そっと寝かせてあげましょう。
夜中も寝ている場合は病気の可能性も?
日中眠っているのは健康上問題はありませんが、夜中も眠っている場合は健康に異常がある場合があります。
人間で言うと、日中も眠っている状態です。
病気の際は、眠っているほかにも何らかの症状が見られる場合があります。
- 食欲がない
- 下痢をしている
- 毛並みが悪い
- ひげが垂れている
- どこかケガをしている
このような場合は、病気やケガなど何らかの異常が考えられるため、早めにハムスターを診ることのできる動物病院を受診するようにしてください。
人の毛気配があると活動しない場合もある
健康上問題のないハムスターでも、人の気配があると夜中でも活動をしない個体もおり、人がいると強い警戒心から、寝床などに籠って出てこようとしません。
そのような場合は、ハムスターを暗く静かな寝室などに移動させてみましょう。
人の気配がなくなったとたん、活発に活動をはじめることがあります。
睡眠時間が増えるのは寿命が近い可能性も
高齢になり寿命が近い場合にも、睡眠時間が長くなることがあります。
ジャンガリアンハムスターやロボロフスキーハムスターは2年程、ゴールデンハムスターでは3年程が平均寿命と言われています。
高齢になり死期が近づくと、食欲が落ちて痩せる、足腰が弱って歩行が困難になる、毛並みが悪くなる、そして眠ってばかりいるようになります。
ハムスターの年齢が2歳前後の場合には、寿命の可能性もあります。
冬場は「疑似冬眠」に注意!
ハムスターは気温が10度以下になると、「疑似冬眠」をしてしまいます。
疑似冬眠とは仮死状態のことで、放置すると高い確率で亡くなってしまいます。
ここでは、疑似冬眠の見分け方や対処法などを紹介します。
疑似冬眠の見極め方
ハムスターの疑似冬眠は、仮死状態にあるため一見死んでいるようにも見えます。
そこでここでは、疑似冬眠なのか亡くなっているのか見極める方法を紹介します。
1、目は閉じているか
死んでいるハムスターの目は、瞼の筋肉が緩むためしっかり閉じておらず、うつろな瞳をしています。
瞳をぎゅっと閉じているようであれば、疑似冬眠の可能性があります。
2、呼吸をしているか
疑似冬眠の場合も、通常より呼吸の回数は減ります。
しかし、1分間に数回は呼吸をしているため、鼻先にティッシュや手を当てたり、胸の動きを見たりするなどして呼吸の有無を確認しましょう。
3、身体は柔らかいか
死んでいるハムスターは、死後硬直しており身体が冷たく固まっています。
ハムスターの体温は私たちと同じ36度程ですが、疑似冬眠の際は10度くらいまで下がります。
しかし、体温が10度あれば、冷たくは感じるものの硬直は見られません。
身体を触って温もりや柔らかさを確認してみましょう。
「冬眠」は準備が必要
熊やカエルなど、冬を越す生き物の中には、寒い冬場を眠って過ごす「冬眠」をするものがいます。
冬眠とは、冬場土の中や穴倉などで眠って過ごし、春になると活動を再開するというものです。
この冬眠は、すぐにできるものではなく秋から長い期間をかけて準備を必要とします。
冬場に食事をしない分、秋にたくさん食べて脂肪を蓄えます。
そして、冬眠の前には絶食をして消化器官の中を空っぽにします。
この行為が非常に重要で、冬眠中は消化器官もほぼ停止するため、胃や腸に食物が入ったまま冬眠してしまうと、体内で腐って毒素になってしまいます。
ハムスターが疑似冬眠での死亡率が高いのは、このように冬眠の準備が十分にできていないことや、体内の食物が腐ってしまうためだと考えられます。
ハムスターの適温は何度?
ハムスターにとっての適温は、20度前後です。
野生では土の中で生活していますが、土の中は1年を通して温度の変化が少なく過ごしやすい環境です。
そのため、ハムスターは暑さにも寒さにも弱い生き物です。
夏場は24時間エアコンを稼働するなどして暑くなり過ぎないように調節する必要があります。
また、多湿も苦手とするため、湿度の高い日は除湿器などを使用しましょう。
冬場はペットヒーターや暖房を使用して、10度を下回らないように注意しましょう。
疑似冬眠の対処法とは!?
ハムスターが疑似冬眠に陥ってしまったら、すぐに対処をする必要があります。
疑似冬眠は低体温による仮死状態にあるため、温めて体温を戻してあげることが重要です。
時間との勝負ではありますが、ドライヤーなど温度の高いもので急激に温めるのは絶対にしてはいけません。
急激に体温を上げると、心臓に負担がかかり命に関わる可能性があります。
疑似冬眠から覚ます正しい方法
体温を上げるには、36~38度ほどのお湯をペットボトルに入れ、ペットボトルをタオルで包んでハムスターを挟み込むように温めます。
身体をさすってマッサージをすることもおすすめです。
ほかには、ペット用のパネルヒーターやホッカイロなどでも温めることが可能です。
手の体温も36度程ですが、手の体温だけでは不十分です。
手の体温を活用することは良いのですが、道具と一緒に使用しましょう。
ハムスターの意識が戻ったら、冷やさないように注意しながら、疑似冬眠の旨を伝え動物病院を受診すると安心です。
まとめ
ハムスターは日中眠って過ごし、夜中に活動する「夜行性」の生き物です。
日中寝てばかりいることは、ハムスターにとっては普通です。
しかし、夜中も活動せずに眠っている場合には、体長に何らかの異常がある場合考えられます。
ぐったりしていたり、食欲がない、下痢をしている場合は動物病院を受診しましょう。
また、2歳前後の場合には、寿命の可能性もあります。
10度以下になる冬場には、疑似冬眠の可能性があり、この場合は放っておくと命に関わるため適切な処置が必要になります。
ハムスターは夕方から朝方にかけて活動をする夜行性の生き物です。
飼い主さんはハムスターの習性を良く理解し、飼育するように努めましょう。