みなさんは、愛猫の現在の体重を把握していますか?
人間にとって100gの増減は些細なことに思えますが、実は猫にとってはとても大きな変化なのです。
今回は、年齢別に見る猫の体重についてまとめました。
これからの暑い季節には、特に食欲に変化がみられることがあります。
そこで、急に体重が増える時や、減る時に気を付けたい病気についても解説していきます。
年齢別に見る猫の平均体重
猫が生後1年の時、人間の年齢に換算するとおよそ20歳と言われおり、その年齢区分は4つに分類されています。
- 0~12か月以下の成長期(幼猫期)
- 1~7歳未満の維持期(成猫期)
- 7歳以上の高齢期(高齢猫期)
- 17歳以上の超高齢期(長寿猫期)
猫種や体格などによって、もちろん体重は個体差がありますが、目安として1歳で約3~5㎏が一般的と言われています。
初めに、各年齢別に見る猫の平均体重をご紹介していきます。
生後0週
平均体重は、約100~120gで手のひらに乗る大きさです。
生まれたての頃は、目も開いておらず耳もあまり聞こえていませんが、嗅覚を頼りに母猫の母乳を探して飲みます。
生後1週
平均体重は、約150~200gです。
少しずつ、耳が聞こえるようになってきます。
人間の年齢に換算すると、生後1か月の赤ちゃんと同じくらいと言われています。
生後2週
平均体重は、約250~300gです。
この頃は「社会化期」と呼ばれ、親猫や兄弟猫と遊びやじゃれ合いを通じて噛む力加減や、善悪について学ぶ時期です。
生後3週
平均体重は、約300~400gです。
自分で排泄ができるようになったり、爪を引っ込めたりすることができるようになります。
また、威嚇などの防衛反応を示すようにもなります。
生後1か月
平均体重は、約400~500gです。
自分で毛繕いをしたり、喉を鳴らして感情表現する姿を見るようになります。
生後3か月
平均体重は、約1~1.5㎏です。
オスは睾丸が目視できるようになるため、オスメスの判断がつきやすくなります。
離乳食やウエットフードをこれまで与えていた場合は、生後3か月頃から少しずつドライフードに切り替えていく時期でもあります。
生後半年
平均体重は、約2.5~3㎏です。
毛が生え変わり、乳歯も抜けて永久歯が生え揃う時期です。
個体差はありますが、生後半年頃から発情期の兆候が見られることがあります。
そのため、この時期には避妊・去勢手術について考えていきましょう。
生後1年
平均体重は、約3.5~4.5㎏です。
生後1年で交尾ができるようになり、メス猫は妊娠・出産ができる体が出来上がります。
避妊・去勢手術をしていない場合は注意が必要です。
猫の体重の測り方
生後1年で約3.5~4.5㎏と言われていますが、愛猫の体格や猫種によっては、体重が5㎏あっても肥満にならない場合があります。
あくまでも平均体重のため、肥満や痩せすぎに注意する必要はありますが、あまり神経質になりすぎることはありません。
次に、愛猫の適正体型や体重の知り方と、体重の測り方について解説していきます。
愛猫の適正体型・体重
先ほども解説した通り、猫種や体格によって体重には個体差があるため、体重のみで肥満や痩せすぎと判断することは非常に難しいです。
そのため、犬や猫は体重だけでなくBCS(ボディコンディションスコア)と言う、体の肋骨や腰回り、お腹の状態を5段階に分けて、見た目と触った感触で適正体型かどうかを判断します。
BCS1~5の中で、BCS3が標準体型とされており、これは肋骨は見えないが触れる状態であり、愛猫を上から見た時に腰のくびれが見られ、わき腹にひだがある姿です。
肋骨が目視できる場合は、痩せすぎであり逆に、肋骨が触っても分からない場合は、肥満とされています。
このように、重さだけでなく見た目や感触によって愛猫の適正体格・適正体重を確認してみましょう。
体重の測り方
ペット用の体重計も販売されていますが、日常的に測定する分には人間用の体重計でも十分測定できます。
飼い主さんが、愛猫を抱っこした状態で計測し、その後飼い主さんだけの体重を測定して、愛猫の体重を計算しましょう。
犬や猫の肥満は、その子の体格の標準体重より15~20%以上多い状態を言います。
生後12か月で3㎏だった場合は約3.6㎏以上、5㎏だった場合は約6㎏以上が肥満と言うことになります。
急に愛猫の体重が減る場合
ここまで適正体格や体重について解説してきましたが、突然愛猫の食欲が落ちたり、食欲は変わらないのに体重が減る場合に、考えられることについて解説していきます。
もし愛猫の食欲が継続的に低下している場合、約2週間ほどで体にも変化が見られます。
食欲があるのに体重が減る
甲状腺機能亢進症・サナダムシなどの消化管内寄生虫・糖尿病などが主な原因として考えられます。
一つずつ詳しく解説していきます。
甲状腺機能亢進症
甲状腺ホルモンが過剰に分泌される病気で、体の基礎代謝が上昇することにより、いつも以上に食欲がありますが太らずに痩せてしまいます。
その他にも、下痢や嘔吐といった症状も見られるため、早めに動物病院を受診しましょう。
サナダムシなどの消化管内き寄生虫
寄生虫の数が少ない場合はあまり症状が出ませんが、寄生虫の数が多いと摂取した栄養が寄生虫に取られ痩せます。
下痢も起こすため、やつれたように見えることもあります。
糖尿病
メスよりもオスに多く、メスよりも1.5倍の確立で発症しやすいと言われています。
肥満や老齢の場合にリスクが高く、ブドウ糖の消費を促進する作用を持つ、インスリンが不足することで発症します。
適切な治療をしないと、重度の高血糖などを併発し、命に関わる病気です。
食欲がなく痩せる
口内炎や歯肉炎などの口内トラブル・環境の変化によるストレス・誤飲・膵炎・高齢の場合は腎不全などが主な原因として考えられます。
こちらも一つずつ解説していきます。
口内炎などの口内トラブル
猫に比較的多い症状です。
原因ははっきりとは分かっていませんが、免疫不全やウイルス感染が関係していると考えられています。
残念ながら口内トラブルは対処療法しかなく、普段から歯石取りや、歯磨きなどの予防をすることが重要です。
環境変化によるストレス
引っ越しや、新たな家族が増えた場合に考えられます。
猫は、食に対して非常に繊細な生き物のため、ストレスを感じている時に食事を摂らないことがあります。
環境に慣れることが出来るよう、飼い主さんも工夫することが大切です。
誤飲
ひも状の異物やスポンジ、プラスチックの欠片などを飲み込んでしまうことで、消化管が閉塞していしまい、動きが止まってしまいます。
食欲不振のほかに、嘔吐の症状が見られることもあります。
膵炎
消化液を出す膵臓に炎症が起きると、激しい痛みと共に食欲不振・嘔吐が見られます。
とても危険な状態のため、すぐに動物病院を受診する必要があります。
腎不全
高齢の猫に、発症しやすい病気です。
腎不全になると、食欲不振だけでなく脱水症状を起こし、体に有害なたんぱく質をおしっこなどで排泄することが出来なくなります。
急に愛猫の体重が増える場合
猫は、一般的に避妊・去勢手術をしていると体内の代謝が変わることなどが原因で、体重が増えることが多く、太りやすいと言われています。
その他にも、老年期に入ると1日に必要とするエネルギー量が低下しますが、食事量を若い頃と変えていない場合にも、体重は増える傾向にあります。
しかし、体の一部だけが極端に太り、体重が増える場合は、しこりが原因である可能性が考えられます。
しこりにも悪性と良性があり、足や背中は痩せているのにわき腹がふくれている場合は、内臓の腫れや、腹水の可能性もあります。
いつもと様子が違う場合は、動物病院を受診しましょう。
まとめ
野生の猫は、常に獲物を狙い動いているため、太ることはあまりありませんが、室内猫の場合、飼い主さんも意識して食事量の調整などをしなければ、肥満になる可能性が、非常に高くなります。
肥満になることで、病気を発症するリスクが高くなるだけでなく、関節などにも負担がかかりやすいため、身体機能にも影響が出て愛猫のストレスとなることもあります。
痩せすぎても、太りすぎても、人と同じく猫にも悪影響があるため、日ごろから愛猫の体重を把握して、調整しましょう。