最近じわじわと人気が上昇しているエキゾチックアニマル「ファンシーラット」。
その可愛さと人懐っこさに魅了される人が増えているようです。
比較的、飼育もしやすいのでペットにするにはぴったり。
そんなファンシーラットの起源や生態から、飼育に必要なものとその費用、餌はどんなものを与えるのか?といった基本の飼い方を徹底的にまとめました。
ファンシーラットの生態
そもそもファンシーラットとはどのような動物なのか、ご存知ですか?
知れば知るほどハマる、ラットの起源や生態、特徴についてまとめました。
元はドブネズミ
「ファンシーラット」という可愛らしい名前がついていますが、元はいわゆるドブネズミです。
18世紀のヨーロッパ、ブラッドスポーツの標的にされたことがファンシーラットの始まりでした。
そこで珍しい色のラットが発見され、繁殖、ペットとして飼育されるようになって行きます。
それから1901年10月14日、イギリスで開催された品評会でラットが最優秀賞を獲得。
その地域でファンシーラットが流行し始めたと言います。
現在は海外ではメジャーな人気のペットで、日本でも徐々に人気が上昇しています。
不思議な食性
雑食寄りの穀食動物だと言われています。
うさぎのように盲腸が大きく発達していることから草食動物とも言えるようです。
そして不思議なことに、内臓は草食動物の構造をしていると言いながらも肉類や魚介類も好んで食べます。
ただしラットは胆嚢を持っておらず動物性脂肪の消化が苦手なため、与えるならば少量かつ脂身の少ないものにしましょう。
順応性の高さ
ファンシーラットは犬のようだと表現されるほど人懐っこい動物です。
例えば野生のドブネズミを捕まえて慣らそうとしても、懐くどころかストレスで弱ってしまうでしょう。
これは人間が長い年月をかけて繁殖・飼育し、ファンシーラットという動物を作り上げた結果です。
もちろん中には懐きにくい子もいますので、無理強いしたり叱ったりは決してしないで下さい。
様々なカラーと模様
野生のドブネズミはアグーチ(暗褐色)ですが、ファンシーラットにはアグーチはもちろん、ブラック・ホワイト・シナモンなどの様々なカラーがあります。
そして、フーディッド・キャップ・サイアミーズなど模様も様々で個性的です。
好みの種類を見つけるのもまた楽しみのひとつですね。
寿命の長さ
野生のドブネズミの寿命はせいぜい1年ほどなのに対し、ファンシーラットの寿命は2〜3年。
他のペットと比較すると短めですが、安定した食糧が手に入ることと、医療処置が受けられる飼育下で寿命が伸びたようです。
身体のサイズ
体長は20~25cm、尻尾が15〜20cmあります。
ネズミと聞いて思い浮かべるサイズよりかなり大きいのではないでしょうか?
体重もオス300~800g、メス200~500gと、かなりずっしりとした重みを感じるサイズで存在感は抜群です!
ファンシーラットにかかる費用
ファンシーラットを飼うことが決まったら、色々なものを揃えて準備しておく必要があります。
ラットの生体価格、初めに必要なものとその費用、毎月の飼育費用がどのくらいなのか平均的な価格を計算してみたので、是非参考にしてみて下さい。
ファンシーラットの値段
生体代は¥1,000〜¥3,000程のところが多いです。
インターネットでの里親募集も時々出ていますので、無料で譲り受ける方法もあるでしょう。
値段については、どこから購入するか、どれだけ手がかけられているか、種類、性別などによって変わります。
例えば、お渡し前に動物病院での健康診断を受けている所では診察費が上乗せされる可能性もありますし、珍しいカラーや品種であればもちろん、オスよりもメスの方がやや高いということもあります。
初めに必要なものと初期費用
飼育を始める際に最低限、必要なものは
ラット | ¥1,000〜¥3,000 |
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ケージ | ¥1,000〜 |
餌入れ | ¥100〜 |
水入れ | ¥100〜 |
トイレ | ¥1,000前後 |
トイレ砂 | ¥300〜 |
床材 | ¥500〜 |
ペレット | ¥500〜¥4,000 |
移動用ケース | ¥300〜 |
例えばケージであれば、100均やホームセンターの材料で自作することも出来れば、ペット用ケージで1万円を超えることもあります。
このように選ぶ物によって大きく変わりますが、初期費用は¥5,000〜¥20,000ほどでしょう。
毎月の飼育費用
毎月の費用は餌代と床材くらいなので、コストを抑えれば月々¥1,000程でも飼えるようです。
ちなみに我が家のラットはお薬代などを含め月々¥5,000前後はかかっています。
体調を崩せば、検査代やお薬代、場合によっては手術代で数万円〜十数万円かかることもあります。
基本の飼育費用は安いですが、いざという時のためのラット貯金はしておきましょう!
ファンシーラットの選び方
ラットはどこで購入出来るのか?どんな子を選べばいいのか?といった疑問にお答えします。
ブリーダーから直接購入
ラットの懐きやすさは母ラットからの遺伝も1つの要因と考えられているので、ブリーダーから購入する場合はその辺りも直接チェック出来るメリットがあります。
ホームページやSNSなどでもラット達の様子が見れるとなお安心ですね。
また飼い方の説明や、質問に対してきちんと答えてくれるかどうかも重要です。
ペットショップで購入
ペットショップでの販売も増えて来ましたが、ラットを扱っているところはまだ少ないのが現状です。
小動物を数多く扱っているペットショップを探してみて下さい。
また、爬虫類の餌として販売されている餌用ラットもペットになりますが、人慣れしていな可能性もあります。
いずれにしても実際の飼育環境を見て、触れて、選ぶことが理想的です。
- 衛生的な環境できちんと管理され、可愛がられているか
- 人間に興味を示して近寄って来る、または触ることが出来るか
- 毛並みが綺麗で、目ヤニ・くしゃみ・歩き方などに異常がないか
以上の3点を選ぶときの参考にしてみて下さい。
里親募集で譲り受ける
ネットを通しての里親募集など、実際にラットを見ることのないままお迎えすることもあると思います。
その場合は写真や動画を見せてもらったり、普段の様子や情報を聞いて信頼出来る方から譲渡してもらうようにしましょう。
飼育用品の選び方
「ファンシーラットにかかる費用」で挙げた必需品の選び方のポイントをご紹介します。
ケージ
細く柔軟な身体を持っているため、隙間が大きいケージでは簡単に脱走してしまいます。
網目の細かいケージを選ぶか、ケージ自体に脱走対策を施しましょう。
初めは小さなケージを使用し、成長を見ながら大きなケージに変更するのがコツです。
水入れ
食器でも構いませんが、ラットが倒してしまって水が不足したり、不衛生になる可能性があります。
小動物用のウォーターボトルを使用するのがベストでしょう。
ボトルのサイズは1匹であれば100ml前後の容量のものを使いましょう。
トイレ
基本的に排便は決まった場所ですることが多いので、うさぎなどの小動物用トイレを使用します。
100均のトレーのようなものでも代用可能かと思います。
底にはペットシーツか猫砂やチップを敷きます。
粉塵が出るものは呼吸器への負担やアレルギー症状が出ることがあるので注意して下さい。
床材
フリース、タイルカーペット、ペットシーツなどが使えます。
トイレと同じものを一面に敷いても良いのですが、猫砂のようなものは乾燥しすぎる可能性があります。
乾燥はリングテイルという病気の一因になりますので気を付けて下さい。
ペレット
ハムスターフードやドッグフードも使用可能ですが、ラット専用のペレットがおすすめです。
ペレットについては後ほど詳しくご紹介します。
移動用ケース
災害時や動物病院に行くときに必要になるので必ず準備しておきましょう。
小動物用のキャリーケースか、プラケース(虫かご)でも良いでしょう。
またラットを診察出来る病院が少ないため、飼う前に必ず病院探しをしておくことも大切です。
あると便利なもの
キッチンスケール
健康のために体重管理は重要なので、なるべく準備しておきたいものです。
順調に成長しているか、また成長期が終わったら体重を維持出来るようにチェックします。
急に痩せたり太ったりするようなら病気の可能性もあるので動物病院で診てもらいましょう。
おもちゃ
ボール、かじり木、ねこじゃらし、知育玩具など好みのものを見つけてあげて下さい。
遊ぶ際は興奮させすぎてお互い怪我をすることのないようにしましょう。
また、誤食することは滅多にない動物だと言われますが、素材によっては食べてしまうことがあります。
ラットは嘔吐反射がなく物を吐き出すことが出来ないため誤食には注意して下さい。
ハンモック
ラットはハンモックを非常に好みます。
市販ではフェレット用のものがありますが、汚れたり齧ったりもするので、100均グッズで自作しこまめに変える方が楽です。
作り方に特に決まりはなく、皆さん色々な工夫をされているので是非調べてみて下さい。
ステージ
小動物用品のステージでロフトのようなものを作ると上下運動にもなり、生活範囲も広がります。
100均のラックを取り付けてタオルなどを敷いてあげても喜びます。
回し車
ラットは、ハムスターのように回し車が必需品ではありません。
ですが、運動やストレス解消のために設置しあげるというのはありだと思います。
直径30cm以上のものを選びましょう。
シャンプー
ラットは基本的にお風呂は苦手ですし、シャンプーをする必要はありません。
ですが、皮膚疾患を持つ子や、老齢で毛繕いが出来ず身体が汚れてしまう場合などシャンプーが必要になることがあります。
そのため、若い内から定期的にシャンプーをして慣らしておくことも大切です。
ファンシーラットの食餌
まだまだペットとしてマイナーなファンシーラットには、餌の選択肢が少ないです。
ラットの成長と健康に大きく関わる餌選びのポイントをご紹介します。
生後3ヶ月未満
ぐんぐんと成長していくこの時期は、沢山の栄養を必要としています。
特にタンパク質を多く必要とするため、タンパク質23%を目安に選んで下さい。
よく使われているのは、フィードワンのハムスターフードとオリエンタル酵母の実験動物飼料です。
粗タンパク質 23.0%以上 粗脂肪 3.0%以上 粗繊維 5.0%以下 粗灰分 8.0%以下 カルシウム 1.0%以上 リン 0.7%以上 カロリー 330Kcal/100g
粗タンパク質 23.1% 粗脂肪 5.1% 粗繊維 2.8% 粗灰分 5.8% カルシウム 1.07% リン 0.83% カロリー 359Kcal/100g
これらであれば、タンパク質23%もクリアしていますし、原材料も特に問題ありません。
他のハムスターフードやドッグフードなどを与えている方もいますが、栄養面に不安が残ります。
ラットに与えることを考えて作られた餌を選ぶと良いでしょう。
生後3ヶ月以降
生後3ヶ月にもなれば、成長期は落ち着いて来ます。
そうなると高タンパクである必要がなくなるので、タンパク質量の少ないものに切り替えます。
ただし、個体差はありますが生後6〜8ヶ月頃までは成長が続くため低タンパクすぎるのも良くありませんので、タンパク質16〜18%を目安に選んで下さい。
この時期のラットに適したペレットは以下のようなものが使えます。
粗タンパク質 16.5% 粗脂肪 3.9% 粗繊維 4.4% 粗灰分 5.9% カルシウム 1.02% リン 0.79% カロリー 347Kcal/100g
粗タンパク質 16.0%以上 粗脂肪 3.0%以上 粗繊維 7.0%以上 粗灰分 9.0%以上 カルシウム 0.8%以上 リン 0.6% カロリー 330Kcal/100g
ラット飼いの定番はオリエンタル酵母のCR-LPですね。
我が家ではCR-LPが主食で、ハムスタープラスを副食にするような形で与えていました。
ですので高タンパクなペレットを少なめに与えるもしくは、タンパク質を副食で補いながら低タンパクなペレットを与える、という方法もおすすめです。
生後6〜8ヶ月以降
生後6〜8ヶ月以降も少しずつ体重が増えることはありますが(肥満には注意)、もう成長期を終えた立派な大人ラットです。
この頃からは更にタンパク質を制限して行く必要があるので、タンパク質量14%を目安に選びましょう。
大人のラットにおすすめの低タンパクなペレットは以下のようなものがあります。
粗タンパク質 14%以上 粗脂肪 4.5% 粗繊維 4.5% 粗灰分 5.5%
こちらは現在、唯一日本で購入できるラット専用フードです。
ネットで簡単に手に入れられますし、成分的にも特に問題のないペレットかと思います。
Science Selective Rat/SupremePetfoods
タンパク質 12〜14.0% 粗脂肪 3.0%(最小) 粗繊維 6.0%(最大) カルシウム 0.5%(最小) リン 0.3%(最小)
こちらは海外のラット専用フードです。
嗜好性も高く、原材料もおすすめなのですが、日本では購入出来ないため海外amazonで個人輸入する必要があります。
英語での注文と届くまでに時間がかかるデメリットはありますが、そんなに難しくはないので英語が苦手でも大丈夫です。
慣れてしまえば簡単ですので一度試してみて下さい。
まとめ
今回は、ファンシーラットの飼育に必要な情報を徹底的にまとめてみました。
ですが飼い方に正解はなく、そのラットの性格や癖に合った様々な方法があります。
この記事を参考に、その子が快適に暮らせるように工夫して行ってあげましょう。
皆さんが素敵なラットライフを送れますように!