ロイヤルカナンのpHコントロールは下腹部の疾患を抱えた猫ちゃんにおすすめのキャットフードです。
最近、この製品は『ユリナリーS/O オルファクトリーライト』にリニューアルされました。
製品のラインナップが数種類あり、その違いが良くわからず、またその中でリニューアルしたということで、混乱している方もいらっしゃるのではないでしょうか?
私もその一人です。
これから、「ロイヤルカナン」の『pHコントロール』と『ユリナリー』シリーズのキャットフードについて、種類や評判など、いろいろな角度から見て整理していきたいと思います。
猫の下部尿路疾患とはどのような病気?
私の飼い猫は5歳のオス、去勢済み、完全室内飼いです。
キャットフードは、獣医師に勧められ『ロイヤルカナン pHコントロール オルファクトリー』を与えています。
この猫は、膀胱炎になりやすく、7.8キロとかなりの肥満だからなのです。
ロイヤルカナンのpHコントロールは我が家の猫のように膀胱炎になりやすい猫ちゃんに最適です。
まずは、このキャットフードを与える対象となる猫、下部尿路疾患(ストルバイト結石症及びシュウ酸カルシウム結石症)のご説明から始めます。
猫の下部尿路疾患の症状とは
猫下部尿路疾患(FLUTD)とは、尿道や膀胱(下部尿路)に関する疾患の総称です。
例えば、尿路結石や膀胱炎なども含まれます。
猫下部尿路疾患は、尿路内の結晶や結石を作ってしまうことも少なくありません。
これらの疾患は、痛みを伴う場合もあります。
結石の種類は、一般的にはストルバイトとシュウ酸カルシウムです。
猫の下部尿路疾患のキャットフードについて
一部のキャットフードに多く含まれるミネラル成分(カルシウム、リン、マグネシウム)により、尿中で結晶が形成されてしまうことが、尿路結石の原因です。
尿のpH(酸性度)はキャットフードに影響されます。
尿路の健康のためには、ストルバイト結晶は酸性環境内では形成されにくいので、尿はやや酸性である必要性があるといえるでしょう。
ロイヤルカナンpHコントロールシリーズの特徴
ロイヤルカナンは、猫が真に健康な生活を送るために、個々の猫で異なる栄養ニーズにきめ細やかに配慮した最適な栄養バランスを提供します。
それぞれの製品は、品種、年齢、または健康状態で異なる猫の健康ニーズを満たすテイラーメイドの栄養バランスを届けるために開発されました。
『pHコントロール』『ユリナリーS/O』シリーズは、下部尿路疾患(ストルバイト結石症およびシュウ酸カルシウム結石症)の猫に給与する目的で特別に調製された食事療法食です。
シリーズの種類のラインナップと新製品
2019年夏ごろより、『ロイヤルカナンpHコントロール』の中の3種がリニューアルして、下記のように『ユリナリーS/O』シリーズと名前も変わりました。
在庫がなくなり次第、徐々に移行していくようです。
『ロイヤルカナンpHコントロール』の中の3種がリニューアル
旧製品名 | リニューアル商品・新商品 |
---|---|
pHコントロール1 → | そのまま |
pHコントロール2 → | そのまま |
pHコントロール0 → | ユリナリーS/O |
pHコントロールライト → | ユリナリーS/Oライト |
pHコントロール オルファクトリー → | ユリナリーS/O オルファクトリーライト |
※2019/8/8時点 原産国がフランスから韓国に変更になります。
『ユリナリーS/O』『ユリナリーS/Oライト』『ユリナリーS/Oオルファクトリーライト』に関しては、旧製品『pHコントロール0』 と同等の、ストルバイト結石溶解の管理及び、シュウ酸カルシウム結石の形成抑制に配慮された製品です。
合計5種類のラインナップですね!
選択肢が広がりますが、正直違いが分かりづらい気もします。
ですが、大切な愛猫の健康はとても大切です。
獣医師に勧められるままに与えるのは避けたいもの。
尿路結石症に対する効果の違いや、味やコストなど、各製品の特長を自分できちんと理解して、猫ちゃんにそのキャットフードを与えたいものです。
これから、こちらのシリーズ5種のそれぞれの特徴を見ていきましょう。
5種ラインナップのそれぞれの特徴
pHコントロール1
pHコントロールシリーズの中で、目標尿PH値が2番目に低い食事です。
一番PH値が高いものは、『ユリナリーS/O』となっています。
「ストルバイト尿石」が溶けた後の維持食として使用したり、治療としてストルバイト結晶を溶かしたいけれども、『ユリナリーS/O』を食べてくれなかった時に使用されることが多いです。
「シュウ酸カルシウム結晶」にも効果はありますが、尿検査で、「シュウ酸カルシウム結晶」が出ている場合は、こちらよりも、『phコントロール2』をおすすめします。
維持食としても使用できますが、定期的に尿検査をしましょう。
pHコントロール2
下部尿路疾患の症状消失後の再発防止や、維持食としての使用をお薦めします。
ストルバイトとシュウ酸カルシウム、どちらも心配な場合には、無難に選択しやすいフードです。
尿検査で「シュウ酸カルシウム結晶」が出ている場合の治療として用いる場合は、『ユリナリーS/O』『pHコントロール1』よりも、こちらが良いでしょう。
維持食向きではありますが定期的に尿検査をしましょう。
ユリナリーS/O
『ユリナリーS/O』は、『pHコントロール1』『pHコントロール2』よりも、ストルバイトを溶解する効果は高いものとなっています。
そのため、尿検査で「ストルバイト結晶」が出ている子、ストルバイト結石がある子の治療として、速やかに尿石を溶かしたい時に使用することが多いです。
維持食としても使用できますが、定期的に尿検査をしましょう。
ユリナリーS/O ライト
下部尿路疾患用のフードは、やや太りやすい傾向にあるようです。
治療や再発防止の為に、下部尿路疾患のフードを食べさせていたら、だんだん太ってきてしまったということを、よく聞きます。
そういった場合、病状にもよりますが、体重が気になる猫ちゃんにはこちらに切り替えるのがお勧めです。
また、最初から肥満傾向の子は、初期治療からカロリー密度を調整した、『ユリナリーS/O ライト』を選択して下部尿路疾患を治療していくこともあります。
維持食としても使用できますが、定期的に尿検査をしましょう。
ユリナリーS/O オルファクトリーライト
「オルファクトリー」とは、「嗅覚の」という意味です。
他のこちらのフードのシリーズよりも、美味しそうな匂いがするようです。
味にうるさく、食事の変更が難しいグルメな猫ちゃん向きと言えるでしょう。
さらに、体重過多に配慮して、カロリー密度を低くしてますので、肥満の予防にも繋がります。
それぞれのラインナップの違いを解説
pHコントロール3種類の違い
『ロイヤルカナン pHコントロール』は3種類のシリーズがあります。
ユリナリーS/O(旧pHコントロール0)→ 1 → 2 の順に結石を溶かす早さが変わって来ます。
ユリナリーS/Oはより早く結石を溶かします。
ユリナリーS/Oから始まり、療法中のpH1、そして、より予防に重点を置いたpH2となります。
下部尿路疾患になったことがあり、もうすでに完治しており、その予防にあげたいというのであればpH2でいいでしょう。
下部尿路疾患のケアと体重管理をしたい猫には
下部尿路疾患のケアをしつつ、体重管理をしたい猫には、ユリナリーS/O オルファクトリーライト(旧pHコントロール オルファクトリー)、ユリナリーS/Oライト(旧pHコントロールライト )となります。
では、ユリナリーS/OオルファクトリーライトとユリナリーS/Oライトの違いはどういったところでしょうか?
両方とも体重過多に配慮してカロリー密度を低く調整ということは同じですが、オルファクトリーは美味しそうなにおいがして、グルメの子向きということでした。
また、主な原材料はライトは肉類、オルファクトリーは魚肉で、カロリーは オルファクトリーのほうが少しだけ低いということです。
ロイヤルカナンpHコントロールシリーズの口コミの評判は?
口コミの評判はおおむね高評価です。
ですが、リニューアル後、フランス産から韓国産に変更され、品質も変わったのではないか、リニューアル前のほうが良かったという口コミが目立ちます。
pHコントロールとユリナリーシリーズの良い口コミ
【pHコントロール1】
家には2匹の雄猫がいるんですが、1匹だけ体が弱く
獣医さんにかかりっきり
もう1匹は元気な子なので、療養食以外の物を食べさせてあげたいと思っていたのですが、
このご飯はどちらもお気に入りで仲良く食べてます。
引用:楽天レビュー
【pHコントロール】
猫が5歳の時血尿がでました。
医者に連れて行ったらこのフードを薦められました。
それ以来ずっとこのフードです。
自分の食費が無くなりそうでもこのフードを買っていました。
そのおかげかとても長生きをし現在20歳です。
引用:Amazonレビュー
【ユリナリーS/O】
PHシリーズを使ってたんだけど、他に変えて、2週間ほどしたら、何度もトイレに行き、そのうち、あっちこっちにおしっこしだして血尿、直ぐにゼロに戻すと4日ほどで落ち着きました。猫も好んで食べてるし、、、、少しお高いけどまあいいか。
引用:楽天レビュー
【ユリナリーS/Oライト 】
膀胱炎予防に与えてますが、今のところ再発してないので合ってるのだと思います。良く食べてくれるので助かってます。
引用:楽天レビュー
【ユリナリーS/O オルファクトリーライト】
リニューアルする前は、粒の高さがあり大きく感じましたが、リニューアル後は、比較的平らにちかく猫たちは食べやすいようです。飽きがこないよう 食べさせようと思います。
引用:Amazonレビュー
pHコントロールとユリナリーシリーズシリーズの悪い口コミ
【pHコントロール1 】
長年利用しているが、韓国製に変更になったのが、残念この上ない。 値段も高騰して買いづらくなった。ロイヤルカナンPhコントロールの 成分に近い商品を検索中。
引用:Amazonレビュー
【pHコントロール2】
こちらを主食にするなら、獣医に定期的にかかっている飼い主さんだけにしてください。 うちは一度病院にかかり、病院で買うと高額なのでネットで買い始め、飼い猫もよく食べていたので、病院から遠ざかっていました。が、具合か悪くなり、別の病院に連れて行くと、こちらの商品はあくまでも病気食用だと。 これをずっと食べさせていたら、かえって良くないと。 結局、愛猫は治療の甲斐なく亡くなりました。 こちらの商品が悪いわけでも、愛猫の死の原因とも言いませんが、こちらを主食にするのであれば、かならず定期的に病院で検査なり診察を受ける事をお勧めします。 尿路結石には良い品ですが、塩分?が多く他の組織がやられてしまうようです。 素人判断でずっと与えては、私のように愛猫の寿命を縮めてしまうことになりかねません。
引用:Amazonレビュー
【ユリナリーS/O】
前商品はフランス産だったと思いますが、現行商品は「韓国産」です。
引用:Amazonレビュー
【ユリナリーS/Oライト】
韓国産になったからか、3~4日前から血尿
引用:Amazonレビュー
【ユリナリーS/O オルファクトリーライト】
今までずっと食べていたオルファクトリーが生産終了で、止むを得ずこちらに変更。 うちの子達の食い付きはイマイチで、一応食べるが完食せずにボウルに残っている状態。 不満なのか、これに変えてからエサは残してトイレの猫砂をむさぼり食うようになってしまった為、4キロ2袋も買ったけど全然ダメ、他のエサに変えます。
引用:Amazonレビュー
与えるにあたり、気を付けること
こちらは食事療法食です。
獣医師の診療と指導が必要な製品とパッケージにも記入してあります。
例えば、一度下部尿路疾患にかかり、その時獣医師に勧められ、それから何年も獣医に診てもらわずに、こちらのキャットフードを与え続けるのはとても危険です。
中高齢期に多くなってくる、慢性腎臓病の猫にはこのお食事は向いていません。
若い頃から使い続けている場合は、中高齢期にさしかかったら、こまめに、尿検査や血液検査をし、その結果を踏まえ、獣医師と相談の上で与えてください。
下部尿路疾患の治療において、せっかくの療法食の成分調整の意味がなくなってしまいますので、かつおぶしや市販の缶詰などを混ぜて与えるのは、極力やめましょう。
食べてくれない場合は、他のメーカーも含め、「猫ちゃんが好んで食べてくれる『療法食』を探す」か、「同じ尿石症に対応した療法食の缶詰やパウチなどのウェットフードをトッピングする」などして、工夫するようにしてみて下さい。
実際に愛猫にあげてみた感想
私の飼い猫は5歳のオス、去勢済み、完全室内飼いです。
保護猫のNPO法人から子猫の時に譲り受けました。
その時はとても小さかったのですが、今では7.8キロもあり、病院に連れていくと必ず、大きい、でかいとみなさんに言われ、大きな猫のメンクイーン並みに成長しました。
毎年冬には必ず膀胱炎になり、ワンシーズンで二度ほどなるときもあります。
幸い結石までには至りませんが、獣医の勧めで『pHコントロール オルファクトリー』を購入しています。
獣医から試供品をもらい、食いつきが良かったため、動物病院よりもお安く購入できるので、ネットで購入しています。
膀胱炎予防なおかつ、体重管理ができるキャットフードはあまり選択肢がありません。
膀胱炎になりにくい夏には、他の体重管理ができるキャットフードと半分づつにして与えています。
口コミなどで言われている通り、わが家の猫も食いつきがかなり良いです。
「オルファクトリー」とは、「嗅覚の」という意味だそうですが、他のキャットフードより臭いは強い気がします。
猫の食欲を刺激するため香りにもこだわっているだけあります。
原材料そのものに魚肉を使用する贅沢な製品です。
フードが合わないと、いろいろなトラブルがあるようですが、今のところ、猫の体調のトラブルはありません。
うんちの出も良いですし、下痢もしていませんし、毛並みもきれいです。
真っ黒の猫なのですが、すごく艶があり、まるでビロードのようでみんなに褒めていただけます。
実は、消費税導入前の9月に4kgを二袋買いだめしたので、リニューアル後の『ユリナリーS/O オルファクトリーライト』はまだ試していません。
今まではフランス産だったのが韓国産になり、口コミではあまり良い評判は得ていないようですね。
それから、そろそろ6歳を迎え、腎臓病も気になりだす年齢ですので、来月の健康診断時に相談するつもりです。
どの種類のフードが適しているのか迷う時
自分の猫が、「ロイヤルカナン」でどの種類のフードが適しているのかわからない時、自信がないときなどは、「ロイヤルカナン お客様相談室」0120-618-505 で相談を受け付けています。
商品購入に当たってのフードの相談をすることができますので、利用してみてはいかがでしょうか。
実は私も、電話をして聞いたことがあります。
『pHコントロールライト』と『pHコントロール オルファクトリー』の違いが、メーカーのホームぺージを見てもよくわからなかったからです。
結果、両製品の違いがきちんと理解できたので、相談してよかったと思いました。
ロイヤルカナンpHコントロールまとめ
『ロイヤルカナン pHコントロール』は3種類のシリーズがあり、『ユリナリーS/O(旧pHコントロール0)』→『ロイヤルカナン pHコントロール 1』 →『ロイヤルカナン pHコントロール 2』という順番で結石を溶かす早さが変わって来るのですね。
下部尿路疾患の療法中では、ユリナリーS/O、pH1、そして、より予防に重点を置いたpH2ということになります。
また、下部尿路疾患のケアをしつつ、体重管理をしたい猫には、『ユリナリーS/Oライト』『ユリナリーS/O オルファクトリーライト』です。
グルメな猫ちゃんには、フレーバーが強い『ユリナリーS/O オルファクトリーライト』がおすすめですよ!
猫は下部尿路疾患にとてもなりやすい生き物です。
そして、何度も繰り返します。
下部尿路疾患を現在治療中、または過去になったことがある猫は、各フードの評判なども考慮し、獣医師とよく相談をして、フードを選んでみてくださいね。